藤田寛之のLet’s Begin【第6回 ダウンスイングの切り返し編】

[ 2020年8月7日 12:00 ]

ダウンスイングの解説を行う藤田寛之プロ
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 今回はトップ・オブ・スイングからダウンスイングへの切り返しをうまく行うためのドリルを紹介します。藤田寛之プロは下半身からダウンスイングを始動できれば、飛距離も方向性も一気にアップすると言います。ただ、そう簡単にはできないので、その動きを身に付けやすくするドリルを覚えましょう。さっそくミス日本ミススポーツの田中絵梨果さんが実践してみました。ティーチングプロのジミー常住氏が進行役を務めます。

 常住 今回はトップ・オブ・スイングからダウンスイングへの切り返しについてお願いします。どうしても手から始めるアベレージゴルファーが多いようですが、何か対策はありますか?

 藤田 基本的に、アドレスからテークバックに移る際、手でクラブを上げてしまう人は、ダウンスイングも手から始める傾向があります。したがって、まずはテークバックで左肩を動かすことによって上半身を右に回し、それに伴ってクラブが上がるバックスイングを心がけてください。その上で正しいダウンスイングの切り返しをマスターしましょう。

 田中 私には難しいかもしれません。

 藤田 前回説明したように、田中さんはまだ初心者なので両手と下半身を同時に下ろすイメージで大丈夫です。むしろ、アマチュアゴルファーの8~9割は、下半身リードのダウンスイングができていないのが現実です。逆に言うと、これができればハンディキャップを5個縮めるのは簡単です。飛距離も20~30ヤードは伸びます。そのためのドリルを紹介します。

 田中 ぜひお願いします。

 藤田 まず、1Wのクラブヘッドを下に向けて、自分の右足の40センチぐらい右に立てます。上半身を捻転させトップ・オブ・スイングの形をつくったら、グリップエンドに両手を当てましょう。上半身の形を崩さずに、下半身だけでダウンスイングを行います。ヘソ、もしくは、みぞおちよりも下の部分を先に動かすイメージです。左肩のストレッチを行う気持ちで、何度か繰り返して行うと、自然に下半身リードのダウンスイングを行う感覚が分かると思います。

 田中 なるほど。こういう感じでしょうか?

 藤田 ちょっと腕に力が入っていますね。もっとリラックスして行いましょう。次に、クラブを普通に握って構えたら、トップ・オブ・スイングの形をつくります。そこからダウンスイングを行うと同時に、左足を一歩目標方向へ踏み出します。この動きを何回か繰り返すことで、下半身リードのダウンスイングができるようになります。同時にクラブも自然に下りてきます。この2つのドリルを行った後で、素振りやボール打ちを行います。うまくできなかったら、またドリルに戻るようにしましょう。

 常住 他に何かドリルはありますか?

 藤田 練習パートナーがいれば、トップ・オブ・スイングの形をつくって、グリップエンド付近を抑えてもらいます。そのままダウンスイングを行うと、手が先に下りずに下半身リードでスイングができます。

 常住 これらのドリルはどのような人に有効ですか?

 藤田 切り返しが早い、手打ちになっている、アウトサイドからクラブが下りていると言われたことがある人にはお勧めです。ぜひ試してください。


 <ミス日本ミススポーツ今週の一言>
 「下半身リードのスイングを意識してボールを打つと、練習でたくさんボールを打っても疲れにくいことが分かりました」

(取材協力=静岡・葛城ゴルフ倶楽部)


 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき) 1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ) 1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。
 
 ◆田中 絵梨果(たなか・えりか) 1997年(平9)11月30日生まれ、神戸市出身の22歳。1月のミス日本コンテストで「ミス日本ミススポーツ」に輝く。特技は英語(英検1級)、サッカー、ドラゴンボート。1メートル72。

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