池江璃花子、明かした競泳、闘病への思い――「同じ病気の子供たちに、強くなれること伝えたい」

[ 2020年7月3日 05:30 ]

色紙を手に笑顔を見せる池江璃花子
Photo By 代表撮影

 白血病からの復活を期す競泳女子の池江璃花子(19=ルネサンス)が、10月に開催予定の日本学生選手権(2~4日、東京辰巳国際水泳場)での レース復帰を目標に掲げた。2日、昨年12月の退院後初めて練習を公開。約2時間で約3000メートルを泳ぎ、順調な回復を印象づけた。インカレ出場が実現すれば、入院前最後のレースとなった19年1月の三菱養和スプリント以来、約1年9カ月ぶりの実戦となる。

 【池江に聞く】
 ――3月に最初にプールに入った時の感想は?
 「念願というか…。待ち望んでいたプールに入れてうれしかった。入院した当初は“病気になって五輪に出なくていいんだ”とホッとした部分があったが、今はプレッシャーより楽しさが勝っている。心から楽しんでやれている。水泳があって自分ができている。なかったら何をしていたんだろう、という感じ。本当に水泳をやっていて良かったと思います」

 ――闘病生活を振り返って。
 「抗がん剤治療は、ここまで吐き気があるとは思っていなかった。毎日、戻した。一日に何度も戻し、食欲もなかった。お見舞いに来てくれる家族や関係者の方に支えられましたが、周りにいる人が苦しんでいる自分を見てつらい思いをしているのもつらかったです。今は1カ月に1回の治療。薬も減って、安定しています」

 ――復帰に向けて着実に歩んでいる。
 「1年以上全く体を動かさずベッドの上で生活していたが、肩の可動域は変わっていなかった。入院中は何回か(全盛期の)映像を見て、他人みたいな感じがしました。もしかしたら、もう元には戻れないかもしれないけど、同じ病気の子供たちに、ここまで強くなれるんだよと知ってもらいたい。中途半端なまま水泳を終わらせたくない気持ちもあります」

 ――ショートヘアが似合っている。
 「病気になる前は“人生で一回は丸刈りにしたい”と思っていました。丸刈りの女性の方が出演している映画を見て格好良かったので。今の髪形より短い時期は、その機会ができて良かったなと思っていましたが、今では早く伸びてほしい」

 ――外出自粛期間中にハマったことは?
 「1カ月前ぐらいからウクレレをやっています。持田選手がギター、山本選手がピアノを弾けるので、皆でスピッツの“チェリー”を弾くことを目標にしています」

 ――4日に20歳の誕生日を迎える。
 「20歳は大人になる一歩だと思う。自覚を持って、周りの人たちにも頼りながら、しっかりと自分を持った女性になりたい。内面的に強い女性になれたらなと思います」

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