シカゴ市が特定の州からの移動を制限 NFLと大リーグに影響か? トロント問題も未解決

[ 2020年7月3日 10:00 ]

指定15州からの流入に制限を加えたシカゴのライトフット市長(AP)
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 米イリノイ州シカゴ市は2日、新型コロナウイルスの感染拡大が急増しているフロリダやテキサスなど15州を対象に、同市に入る場合には「1カ所で14日間の検疫」を義務付けることになった。特別措置は6日から適用。ローリー・ライトフット市長(57)は「シカゴが築いてきた財産を守るため」と語っており、違反すると100~500ドルの罰金で最大で7000ドル(約75万円)が科せられる。

 すでにニューヨークなど3州が同様の措置を取っているが、市単位で「移動制限ルール」が発令されたのはこれが初めて。シカゴを本拠にしているNFLのベアーズは今季4戦目をジョージア州アトランタ(対ファルコンズ)で行うが、ジョージア州はシカゴ市が制限を加える州の1つに入っており、アトランタからシカゴに戻るときにどうするのかという対応を迫られる可能性がある。

 60試合制となった大リーグではシカゴにカブスとホワイトソックスの2球団が本拠を置いているが、今季は同一地区同士の対戦のみとあって、対戦相手の中に制限対象となる州のチームはいない。しかしプレーオフ進出が決まった場合、この“シカゴ条例”が効力を有していると難題と直面することになる。

 シカゴのここまでの新型コロナウイルスの感染判明者は計5万2569人(死者2611人)。感染者数は減少傾向にあり、レストランやバーの営業なども認められ、経済活動は再開している。

 一方、カナダ連邦政府は、オンタリオ州トロントを本拠にしている大リーグのア・リーグ東地区所属のブルージェイズに対して、トロント市内にあるロジャース・センターでのチーム練習を、球場内にあるホテル(トロント・マリオット・シティーセンター)で全員が検疫することを条件に承認。同チームは現在、キャンプ地のフロリダ州ダニーデンに集合しているが、他の29球団同様、本拠地でのキャンプインが可能になった。

 しかしカナダ政府は他球団がトロント入りしてしまうレギュラーシーズンの試合をロジャース・センターで行えるかどうかの判断は示しておらず、ブルージェイズのマーク・シャピロ球団社長(53)は同政府に対して10日以内の回答を求めている。

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