松山、苦闘134位発進 3カ月ぶり実戦 新様式に動揺も「爆発して予選通過できる位置で終わりたい」

[ 2020年6月20日 05:30 ]

米男子ゴルフツアーRBCヘリテージ   第1日 ( 2020年6月18日    サウスカロライナ州ハーバータウン・リンクス=7099ヤード、パー71 )

松山英樹(AP)
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 新型コロナウイルスによる中断からの再開2戦目が開幕。第1ラウンドが行われ、約3カ月ぶりの実戦となった松山英樹(28=LEXUS)は3バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの3オーバー、74と崩れ、首位と10打差の134位と出遅れた。イアン・ポールター(44=英国)とマーク・ハバード(31=米国)が7アンダー、64でトップに並んだ。

 3カ月前とは全く違う光景、雰囲気の中で松山も戸惑いを見せた。今季ワーストの134位発進。「思ったプレーができなかった」と複雑な表情を浮かべた。

 3月12日以来の実戦。「(ショットの)状態は良くないが、いけるんじゃないかと期待もあった」という。しかし狭いコースで、ティーショットに苦戦した。1番パー4は3Wの第1打を右に曲げて「想定外だった」というボギー。2番も第1打を右の林へ入れた。それがパットにも影響したのか5番で6メートルのイーグルパット、8番の1メートル半、10番の4メートルのパーパットはカップに蹴られた。13、15番で挽回したが16番では3メートルから3パット。50センチほどのボギーパットを外し「ぼーっとしながら打ってしまった。もっと集中しないと」と反省しきりだった。

 会場は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための対策や配慮が徹底された。観客も不在。同組の選手に近づかないようにするなど、普段と違う神経も使い「どういう状況で(ウイルスに)かかるか分からないけど(考え過ぎると)ゴルフに集中できない。気持ちを切り替えて頑張りたい」と漏らす。それでもコース内に立つ家の住人たちが歓声を上げる場面もあり「そこは良かった」と感謝した。

 首位とは10打差。「なかなか厳しい位置」というものの、逆境をバネに奮起するのも松山の真骨頂。今季の12戦でオーバーパー発進は3度あるが、75だったHSBCチャンピオンズ、74のソニー・オープン、73のファーマーズインシュアランス・オープンと、いずれも2日目には67を出して予選を通過している。「爆発して予選通過できる位置で終わりたい」と切り替え、練習場へ向かった。

 【キャディー背面に医療従事者の名前】米男子ツアーは再開初戦となった前週から、キャディーが着用するビブスの背面に選手名とともに、地元の医療従事者の名前を並記している。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、厳しい現場で戦う人々への敬意と感謝を表現するための取り組みだ。

 【松山のツアー再開初戦までの経過】
 ☆3月12日 プレーヤーズ選手権初日にコースレコードに並ぶ63をマークして暫定首位発進。しかし、その直後に新型コロナウイルス感染拡大の余波で2日目以降の中止が決まる。
 ☆3月後半 米ツアーの中断を受けて帰国。宮崎などで調整を続ける。
 ☆5月28日 成田空港から早藤将太キャディーと再渡米。フロリダ州オーランドの自宅にて2週間の自主隔離に入る。
 ☆6月8日 石川遼とともに医療従事者支援の慈善オークションを行うことを発表。
 ☆6月15日 チャールズシュワブ・チャレンジで約3カ月ぶりに米ツアーが再開も、松山は出場を見送る。
 ☆6月15日 早藤キャディーと2人で、自宅からRBCヘリテージの会場であるサウスカロライナ州までの約500キロを車で移動。
 ☆6月16日 すでに米ツアーが実施した2度のPCR検査で陰性と診断されており、会場で9ホールを練習ラウンド。「帰ってこられてよかった」とコメントした。

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2020年6月20日のニュース