藤田寛之の“急がば回れ!”上達講座【第4回 フェアウエーウッドの打ち方】

[ 2020年4月24日 12:00 ]

FWの打ち方について解説する藤田寛之プロ
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 今回のテーマはフェアウエーウッド(FW)の打ち方についてです。藤田寛之プロによれば、ある程度の飛距離を稼ぐことができ、ミスの許容範囲も広いFWをマスターできれば、大きな武器になると言います。藤田流のエッセンスをティーチングプロのジミー常住氏が聞きました。パー5だけでなく、距離の長いパー4での2打目にも使えるだけに、ぜひ正しい打ち方を身につけましょう。

 常住 アベレージゴルファーがFWを打ちこなすためのポイントをいくつかお願いします。

 藤田 FWを苦手とする人は2つのタイプに分かれます。1つが極端に上から打ち込むタイプ。もう1つが下からしゃくり上げて打つタイプです。前者にはボールの横から払う意識を持ってほしいし、後者には上から打ち込む意識を持ってほしいですね。基本的には、アイアンよりも広いソールを生かし、芝の上でソールを滑らせるように、横から払う打ち方がお勧めです。

 常住 横から払うにはどのように振ればいいのでしょうか?

 藤田 スイングの最下点を意識することです。芝の上で2、3回素振りを行うと、クラブヘッドが芝をこするポイントが見つかります。そこがスイングの最下点になるので、ボールをセットしましょう。あとは、素振りの時と同じようにクラブを振れば、自然とボールの横からヘッドが下りてきます。

 常住 そう簡単にスイングの最下点は見つかるものですか?

 藤田 最初は見つかりにくいかもしれませんが、慣れてくれば見つけられます。スイングの軸となる頭をなるべく動かさないように心がけ、常に左右対称のスイングプレーンを意識すると、見つけやすくなります。

 常住 フェアウエーから打つ場合、必ずしも平らなライとは限りません。傾斜から打つときの対処法を教えて下さい。

 藤田 傾斜であっても、スイングの最下点を見つけるだけです。例えば、左足下がりの場合、まず傾斜なりに構えます。左足に体重が多く乗っている状態です。その形をつくってから、素振りを2、3回繰り返します。このとき、右足に体重の多くを乗せ、傾斜に逆らって立つと、スイングの最下点は正しい位置よりも右にきます。このライでダフリが多いのはそれが理由です。同様に、左足上がりのライでは左足ではなく右足に体重の多くを乗せて構えます。あとは同じように素振りを行なって、スイングの最下点を見つけるだけです。

 常住 なるほど。基本の動作さえできていれば、平地だろうが、傾斜だろうが関係ないんですね?

 藤田 そうです。傾斜がきついときは、クラブを短く持ち、よりコンパクトなスイングを心がければいいんです。ソールが広い分、FWはミスの許容範囲も広いと考えて下さい。もちろん、練習量が少ないと、3Wのようにロフトが小さく、シャフトが長いクラブは難しく感じるでしょう。ならば、3Wでもロフトの大きいものを選択したり、シャフトを軟らかいものに換えればいいんです。極端に言えば、3Wを外し、5Wや7Wを入れて下さい。最近の5Wは3Wに負けないぐらいの飛距離を出しますよ。(取材協力=千葉・きみさらずゴルフリンクス)


 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき)1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。

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