パラアスリートたちの「おうち時間」

[ 2020年4月22日 13:00 ]

競技を行う車いすテニスの国枝
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 新型コロナウイルスという“見えざる敵”によって、人々の自由は奪われた。東京五輪・パラリンピックは1年延期。世界からスポーツの火が消えたように見えたが、アスリートたちは負けない。ファンが自宅で過ごす時間を少しでも有意義に過ごせるよう、SNS上で「#おうち時間」「#StayHome」などハッシュタグを用いて、自宅でできるトレーニング動画などを発信。パラアスリートたちもひと工夫加えた方法で、「#StayHome」しているようだ。

 車いすテニスの国枝慎吾(36=ユニクロ)は、自身のSNSで「新しいトレーナーと契約しました!」とテレビゲーム上のインストラクターとともに、ボクシングのエクササイズで汗を流す動画を投稿。パラ水泳の宇津木美都(17=京都文教高、上肢障がい)は、動画投稿アプリ「TikTok」で流行している音楽や撮影方法を用いて、自身のトレーニング内容を公表している。同じくパラ水泳の津川拓也(27=ANAウィングフェローズ・ヴィ王子、知的障がい)は中学時代美術部だった経験を生かし、得意のイラストで毎日の練習内容や日々の出来事ををつづっている。

 そんな中で、異例の試みとなったのはパラアーチェリーで東京パラリンピック内定の上山友裕(32=三菱電機)による「ファンとのオンライン飲み会」だ。「僕らが発信したことに対してファンの方はコメントをくれるけど、交流やキャッチボールはできない。少しでも自分たちのことを知ってもらうために、何ができるのか考えた結果です」と発案の経緯を語る。

 上山は競技普及のためにメディア出演やSNSの更新を積極的に行い、本番の東京大会では「人があふれる会場の中で金メダル」を獲得することを目標にしている。「僕たちのことを知ってもらった上で、大会本番で応援してもらいたい」という思いで始まった今回の企画。パラアスリートたちの趣向を凝らした発信が、競技の魅力を伝える1つの方法になっている。

 東京パラリンピック1年延期を受けて、日本パラリンピック委員会(JPC)の河合純一委員長(44)は「自国開催のパラリンピックが1年延びたので、魅力を伝えられる期間が増えた」と語っていた。「夢への努力は今しかない」。河合氏が掲げる座右の銘には、アスリートとして結果を残すための練習はもちろん、パラスポーツの認知度を高めることを今だからやるべき、という意味が込められているのかも知れない。(記者コラム・小田切 葉月)

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