コロナ禍に揺れる高校スポーツ界…どうなる!?インターハイ、どうなる!?3年生の「目的」「進路」

[ 2020年4月22日 05:30 ]

今年のインターハイのポスター
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 新型コロナウイルスの感染拡大に、高校スポーツ界も揺れている。政府が今月16日に緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大し、全都道府県の大半の学校で部活動は休止となった。各地での予選を経て、一部競技を除き8月10日から開始予定の全国高校総合体育大会(インターハイ)開催も不透明な情勢だ。主催する全国高校体育連盟(高体連)は今月26日に電話会議で臨時理事会を開き、開催可否などの対応を協議する。困惑する現場の今を取材した。

 不安を抱いたまま、高校生は“見えない夏”に向かっている。昨年、柔道高校3冠(選手権、金鷲旗、インターハイ)を果たした名門・国士舘高は3月上旬から練習を休止。08年北京五輪男子100キロ超級金メダルの石井慧(33)らを育てた名将・岩渕公一監督(64)は「寮生は帰省させている。今の状況だと厳しい」と頭を抱えた。

 相手あっての柔道で「3密」は避けられない。互いに密着して技を掛け合う乱取りが稽古の中心で、なおかつ密集した1カ所の道場で汗を流す。さまざまなタイプの相手を求めて出稽古で鍛えることもできず、岩渕監督は「この時期に練習ができないのは痛い。乱取りをやらないと試合にならない」と、長期間の実戦離れを危惧した。

 現時点で練習再開の見通しは立っていない。新型コロナウイルスの影響で休校期間が延びる可能性もあるが「6月から練習を再開しないとインターハイの開催も厳しい。最低でも1カ月間は練習しないと選手の故障にもつながる」と話す。加えて代表選考の予選、都大会に約1カ月間を要するだけに「5・31」が休校期間のリミットと見ている。

 高校柔道3大大会のうち、3月の全国高校選手権(群馬)、7月の金鷲旗(福岡)は中止となった。インターハイもなくなるとなれば、選手の心身両面に及ぼす悪影響を岩渕監督は懸念する。「このままでは、3年生の“目的”がなくなる。選手を支えるものがないと、それこそコロナに負けてしまうよ」と早期終息と、最後の夏の開催を願った。

 《センバツに続き 夏も開催危機》高校野球は史上初めて中止となった3月のセンバツに続き、夏の甲子園開催も危ぶまれている。すでに、全国9地区の春季大会と、47都道府県全ての春季地方大会の中止が決定。夏の地方大会は6月20日からの沖縄大会を皮切りに開幕する予定で、日本高野連は5月20日に第2回運営委員会を開き、夏の甲子園開催可否について方向性を示す可能性がある。

 《大学進学の「実績」に影響》インターハイ開催が不透明の中、現場の指導者からは不安の声が相次いだ。3月の全国高校選抜に続いて全国大会が中止となれば、選手の大学進学にも影響を及ぼす可能性がある。重量挙げで96年アトランタ五輪に出場し、札幌琴似工(北海道)のウエートリフティング部を指導する橘典人監督(47)は「影響は出てくる。全国舞台で活躍して、進学先から声が掛かる場合もあるので」と、選手のアピールの機会を失うことを危惧した。

 また、女子ソフトボールで、14年全国選抜優勝のとわの森三愛(北海道)を率いる五十川智美監督(31)は「スポーツ推薦で難関大を目指すなら、全国大会で上位何位までという明確な基準がある。夏がなくなると、進路にも関係するはず」。毎年、全国大会で成績を残した選手を早大、青学大、同大などに輩出しているだけに、生徒が最終学年で実績を残せず、卒業を迎えることを懸念した。

 《21府県で分散開催 日程も遅く延期困難》高体連は26日に電話による臨時理事会でインターハイの開催可否を協議する。大会は当初、北関東を中心に行うはずだったが、東京五輪の影響で会場確保などが難航。21府県での分散開催となった経緯がある。また、例年よりも日程が遅いため延期は困難な状態。すでに予選の中止を発表している地区もあるが、高体連の奈良専務理事は「開催となれば代表選考方法は各競技専門部に委ねる」としている。

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