男子バレー元日本代表は8代目社長!南克幸さん、コロナ禍に「負けてたまるか」
セカンドキャリアで活躍したり、同じフィールドで長く力を発揮したりする人々は、競技で培った経験を糧にしている。1992年バルセロナ五輪に出場したバレーボール元日本代表で、創業143年の加藤海運で社長を務める南克幸さん(49)もその1人。新型コロナウイルスの感染拡大が暗い影を落とす状況でも「スポーツの力」を支えにしてエネルギッシュに生きる人のエールを届ける。
元バレーボール男子日本代表の南さんは、1877年創業の加藤海運の8代目社長を務める。大型機械や飼料といったスケールが大きいものを貨物船で運ぶ事業がメインの総合物流会社を、現役時代、ネット際に君臨した2メートルの長身で引っ張る。16年にはタイにも進出した。85人の社員を思い「事業を大きくし、社員を幸せにすることが目的」と、充実した第二の人生を送る。
五輪3大会で金銀銅メダルを獲得した故・将之さんを父に持ち、法大4年で92年バルセロナ五輪に出た名選手。華やかな経歴に目がいくが、経営者の現在に生きているのは、きっと旭化成の主将で味わった廃部経験だ。
06年3月に、予期せぬ発表。同5月の全日本選抜大会で「チームの引受先が見つかるように優勝しよう」と仲間を鼓舞した。
エリート街道を歩んだサラブレッドは、仲間の声に今までになく耳を傾けた。「スタメンもベンチも1人1人が役割を全うしないと1点を取れないと、改めて気付けた」。池井戸潤の小説さながらのストーリーで、下馬評を覆して4強入り。消滅を逃れられなかったが、「五輪を覚えていなくても、あのときの底力は忘れられない」とワンチームになった喜びが財産になった。
08年に引退した。その後の営業職でも、義父の急逝をきっかけに13年に妻の実家の加藤海運を社長で継ぐことになってからも、一致団結して廃部に立ち向かった経験が生きた。
新型コロナウイルスの影響で、順調だった業績が「下方修正しないといけない」と厳しい状況にある。ただし、スポーツマンらしく「こういう時に自発的に動けるように、社員に言葉を投げかけている。考えさせるように発信することが経営者の仕事」と前を見る。
今夏に東京五輪があれば、開催中は東京支社の社員にテレワークをさせる予定だった。「事前に導入を考えていたので」と、コロナ禍になってすぐに対応ができた。情熱家の努力家は、会社の発展のために心血を注ぐ。「五輪で金メダルを獲っていたら、もしかしたら燃え尽きたり、おごりがあったかもしれないけど、まだまだ燃え尽きていない」。深刻な経済状況にも「負けてたまるか」の文字が力強かった。
2020年4月12日のニュース
-
原則閉鎖も“骨抜き”だった 全柔連コロナ感染計12人に
[ 2020年4月12日 22:19 ] 柔道
-
コロナ禍で中止のBリーグ、全36クラブの選手がファンへメッセージ動画
[ 2020年4月12日 19:00 ] バスケット
-
全日本柔道連盟 専務理事の新型コロナ感染を発表
[ 2020年4月12日 14:18 ] 柔道
-
追悼連載~「コービー激動の41年」その56 ジャクソンの最終面談とチーム解体
[ 2020年4月12日 08:00 ] バスケット
-
男子バレー元日本代表は8代目社長!南克幸さん、コロナ禍に「負けてたまるか」
[ 2020年4月12日 06:45 ] バレーボール
-
大技小技の“NEWしぶこ”見て!コロナ禍の“アゲンスト”にも負けない!!
[ 2020年4月12日 05:30 ] ゴルフ
-
走り高跳びエース“ドクター戸辺”論文でアップグレード インプット増やしコロナ苦境跳び越える!
[ 2020年4月12日 05:30 ] 陸上
-
大相撲初コロナ感染確認から一夜 感染力士の体調安定、他の体調不良者はなし
[ 2020年4月12日 05:30 ] 相撲
-
全柔連、新たに3人コロナ感染 感染者計8人、中央競技団体初のクラスター認定
[ 2020年4月12日 05:30 ] 柔道
-
錦織×本田がオンラインで“ラリー”ファンの質問に答える
[ 2020年4月12日 05:30 ] テニス
-
東京五輪1年延期で組織委に新たな重責 聖火保管場所は「極秘」火を絶やさぬよう複数ランタン用意
[ 2020年4月12日 05:30 ] 五輪