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[ 2020年4月12日 05:30 ]

青木コーチ単独インタビュー(下)

2020年も青木コーチと歩む渋野
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 AIG全英女子オープン覇者・渋野日向子(21=サントリー)を育てた青木翔コーチ(37)がスポニチ本紙の単独インタビューに応じ、教え子の2020年の“進化”について語った。1月にタイで行った合宿では、ウイークポイントだったアプローチを強化。さらに昨秋から取り組んでいる独自のトレーニング法で飛距離がアップしたことにより、一層、攻撃的なプレースタイルを身につけた。

 勝負の世界に“たられば”はなし。だが、もしも今季初戦としてエントリーしていた2月の米女子ツアーのホンダLPGA(タイ)、続くHSBC女子世界選手権(シンガポール)が開催されていたら結果はどうだったのか…。青木コーチが当時を振り返る。

 「良い仕上がりになっていたし、あの2試合が開催されていたらどちらかで勝っていたかもしれないっていうくらい。状態は本当に良かったんです」

 それだけ、渋野は充実したオフを過ごしてきた。その裏には斎藤大介トレーナーとの出会いがある。昨年の全米女子オープンを制した李晶恩(イジョンウン、韓国)ら世界のトップ選手も担当する斎藤氏と昨年11月に契約。初めて世界最先端のトレーニングに触れ、体の動きに変化が出ているという。

 「本当に斎藤君の力が大きくて。基本的な体の使い方、この関節、この筋肉はこう動くっていうのを覚えていったら、徐々に飛距離も伸びてきました。伸ばそうとしたわけでなく、連動性が高まって出力が上がってきた感じ。トレーニングといってもガチガチのおもりとかではなく、チューブや自重を使ったゴルフの動きと連動したものが中心です」

 体の変化に伴い、道具にも変化が出てきた。ウッド系のシャフトをフジクラの「スピーダーエボリューション6」(硬さ=SR)から「ベンタス」(硬さ=S)に替えた。米男子ツアー屈指の飛ばし屋、ダスティン・ジョンソン(米国)らも使うハードヒッター向けのモデルだ。「トレーニングして体の切れが増してきて、スイングにも変化が表れてきたので変更しました。去年使っていたのは中調子で、今回のは中元調子。手元が軟らかくて先が硬いからボールをしっかり叩きやすくなるし、左に行きにくくなります。あとは、純粋にスピードに対してクラブが追いついてこなくなったので、フレックスもSにしました。去年の体だと絶対に打てない(スペック)。トレーニングと道具で飛距離がキャリーで10ヤードくらい伸びていると思いますよ」

 技術面で徹底的に取り組んでいるのがショートゲーム。1月のタイでの10日間の合宿、そして帰国後も握っていたのは“ほぼ”ウエッジだったという。

 「10時間くらいずっと練習していました。ラウンドは4回だけ。選手ごとにメニューを作って、彼女には5ヤードごとにコーンを置いて、まずは右手で普通に。次はフェースを45度、そして最後はマックス開いて全部当てる。それが終わったら、次は両手という感じで30ヤードまで全部で6~7時間かかります。あとはバンカー。帰国後もほぼウエッジしか練習していなくて、溝が4本つぶれました。僕もビックリしました」

 ブレークした19年から、さらなる飛躍が期待される20年へ。来るべき新シーズンでは、どのような“進化”が見られるのだろうか。

 「ロング(パー5)でセカンド狙って、ガードバンカーにつかまっても、バーディーが取れるのを頭に入れられるかなと。去年より飛距離も伸びてるし、バンカーがうまくなって、より攻撃的にゴルフをすると思う。ファンの皆さんには、たくさんバーディー取っている姿を見てほしいと思います」(終わり)

 ◆青木 翔(あおき・しょう)1983年(昭58)3月28日生まれ、福岡県出身の37歳。福岡大卒。11年からジュニアなどの指導を行い12年に「AOKI SHO GOLF ACADEMY」を設立。USGTF公認ティーチングプロ資格保持。18年から渋野日向子とコーチ契約を結び、メジャー制覇を飾った19年のAIG全英女子オープンではキャディーも務めた。家族は夫人と長男。1メートル81、77キロ。

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