自転車BMXフリースタイル・パーク 中村輪夢 圧倒的なエアで魅了する忍者ライダー

[ 2019年11月26日 10:00 ]

BMXライダー・中村輪夢の演技に見とれる加藤綾子アナウンサー(撮影・西尾 大助)
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 【カトパン突撃!東京五輪伝説の胎動】自転車BMXフリースタイル・パークの第一人者・中村輪夢(りむ、17=ウイングアーク1st)。日本人男子初となるW杯優勝とW杯年間王者となり五輪代表の座に手をかけた。得意のジャンプと難易度の高い大技に磨きをかけ、来年の東京で狙うのは、てっぺんだ。加藤綾子アナウンサー(34)の直撃には「実はいじられキャラ」と、愛すべき素顔ものぞかせた。

 ――中国でのW杯優勝とW杯年間王者獲得おめでとうごさいます!
 「中国は悪天候で決勝はなかったんですけど準決勝で自分の力を出し切って優勝できました。年間王者はうれしい。1年間ずっといい結果を出せたというのが良かった」

 ――中国の後の世界選手権は5位でしたが?
 「結果より自分のミスが悔しいなという感じです」

 ――海外はどのくらいのペースで行きますか?
 「年間の半分くらい。時差ぼけが大変。夕方の試合なのに午前4時に目が覚めたりします。日本では勝たないとアカンというプレッシャーがあるけど海外はないので気楽」

 ――大会の盛り上がりはどうですか?
 「海外はめちゃくちゃ凄い。ジャッジの採点がおかしい時はお客さんがブーイングする。熱いのはフランス。海外の試合では、なぜかめっちゃいじられますね(笑い)」

 ――愛されキャラって感じですか?
 「大会に参加する選手の中で一番年下だからですかね。日本だとイジる方なのに。この前もレースの直前までいじられました」

 ――直前までって大技をやらせない作戦じゃないですか。人の良さがバレてる(笑い)。最大の武器のジャンプは迫力ありますね。
 「持ち味なんで、こだわってます。小さい時は、今日はペットボトルを跳び越えられたから次は違うものを跳び越そうという感じでやってました」

 ――忍者みたいですね(笑い)。体に染み込んでるんですね。
 「成功した時は達成感が凄い。ジャンプは高いほどいいし、技に安定感も出ます」

 ――滞空時間が長いですけど何を考えてるんですか?
 「技ができるイメージを思い浮かべます。一つのジャンプの間に技を2、3種類やる。競技時間は1分間で15から20種類くらいの技をやります」

 ――ジャンプするのは怖くないですか?
 「最大の高さはジャンプ台から4メートルくらい。正直怖いっす」

 ――良かったです。全然、怖くないって言われたら、お気持ちが分からなくなるところでした(笑い)。
 「恐怖心がある方が集中できる。でも、ケガをしたらどうしようとか思い始めると怖くなりますね」

 ――技は何種類あるのですか?
 「200種類くらい。僕しかやらない技もありますね」

 ――「輪夢スペシャル」とか技に個人名を付けたりできないんですか?
 「それはないです。技と技の名称を組み合わせるのが基本。僕しかやらない技は“360ダブルバースピン・トゥー・タックノーハンド・トゥー・バースピン”。2秒ほどのジャンプで5種類の技をやる」

 ――スリーシックスくらいまでしか覚えられないです(笑い)。どのくらいの練習でできるようになる?
 「技によって1日でできたり1年かかったりします。この技は1日でできたけど今でも失敗はしますよ」

 ――普段の練習は?
 「昨年の12月に地元の京都にある向日町競輪場に練習施設を造ってもらいました。今までは三重とか名古屋、神戸まで練習のために行っていた。2週間、米国に行くこともあります。向こうは設備も凄いですから」

 ――五輪競技になって良かったですね。
 「若いうちに経験できるのはありがたいです。日本というのがサイコー。1日6時間くらい練習する。どの大会も1位を目指してやってる。金メダルを獲れるよう自分のベストを尽くします」

 ――試合は緊張しますか?
 「めちゃくちゃ緊張する。いつもそこは深く考えずにやります。英語を話せないので海外ではノリだけでやってます。向こうが笑っていても何を言ってるのか分からないので、ちょっと笑っておこうみたいな(笑い)」

 ――だからイジられるんですかね(笑い)。

 ――元BMX選手でBMXショップを経営するお父さん(辰司さん、44)がメカニックもされている。心の支えになりますか?
 輪夢「自転車はパンクも多い。試合中に3回くらいパンクする時もある。1度あると、またパンクするんじゃないかなと不安になる。お父さんが直してくれたらストレスが減るし、大会に集中できます」

 ――お父さんは、ご自身もしていたBMXを輪夢選手がやっているのは格別ですよね?
 辰司さん「めちゃくちゃうれしいです。でも怖いというのも分かるので心配ですね」

 ――お母さん(麻美さん、44)はドキドキするんじゃないですか?
 麻美さん「慣れました。わたしは怖さが分からないので“やってみるのもいいんじゃない”みたいな(笑い)」
 輪夢「海外の動画を見て、お母さんは“これをやってみたら”って簡単に言う。できる時もあるけど“これは無理やろ”というのもある(笑い)」

 ――輪夢という名前はどうして名付けたのですか?
 辰司さん「ハンドルやグリップ…自転車のパーツを頭から順番に見ていって“リム”っていいなと思ったんですよね」
 輪夢「名前がグリップやハンドル、タイヤにならなくて本当に良かったと思います(笑い)」

 ◆中村 輪夢(なかむら・りむ)2002年(平14)2月9日生まれ、京都府出身の17歳。父親の影響で3歳からBMXに乗り、5歳で大会に初出場。中学生でプロに転向した。17年の世界選手権で7位入賞。同12月の全日本選手権で初代王者となる。今年8月のXゲームズで史上最年少で銀メダルを獲得。9月の全日本選手権で2年ぶり2度目の優勝。11月にW杯フリースタイル・パークで日本男子初の優勝を飾るとともに年間王者となった。1メートル65。

《愛きょうもたっぷり!!自転車好き伝わる少年》
 【取材後記】自転車が純粋に好きなことが伝わってきました。話し方も愛きょうたっぷりで素敵な少年です。驚いたのは間近で見たBMXの小ささ。それが試合になると最大4メートルもジャンプする。「怖くないのかな?」と思ったら輪夢選手も「めっちゃ怖いです」と話していて「同じ感覚だ」と、ちょっと安心しました。そんな恐怖心を克服できたのは家族のサポートがあったからでしょう。メカニックのお父さんの存在が大きい。小さい時から家族の間で自転車の話が自然と出たり、日常で触れることが大事ですね。

 日本はまだ練習環境が整っていないとのこと。バスケットの八村塁選手のようにスターが出ると一気に競技が普及します。輪夢選手がそうなるべき。名前通り“五輪の夢”をかなえてほしいです。(加藤 綾子)

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