遠藤 再小結場所5連勝!貴景勝に土つけ1敗死守 横綱大関総崩れの波乱呼ぶ粘り技

[ 2019年9月14日 05:30 ]

大相撲秋場所6日目 ( 2019年9月13日    両国国技館 )

遠藤(右)につきひざで敗れる貴景勝(撮影・久冨木 修) 
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 小結・遠藤が大関復帰を目指す関脇・貴景勝に今場所初めて土を付けた。自らも1敗を守るとともに、直後に1横綱2大関が総崩れとなる波乱の1日を引き寄せた。朝乃山は大関・豪栄道を撃破し、対戦した1横綱、2大関を総なめ。横綱・鶴竜は平幕・大栄翔に敗れ連敗となった。平幕の隠岐の海が全勝で単独トップに立ち、1敗は御嶽海ら7人。

 13日の金曜日に「怪異」と言うべき波乱の連続。呼び水は勝ちっ放しの貴景勝が敗れた取組だ。遠藤は立ち合いで右前みつを取れなかったものの、はたきにも崩れず前へ出る。好調な相手の攻めを封じたことで白星が転がり込んだ。

 2日目から5連勝。「つきひざ」という相手の不運による白星でもあり、支度部屋に引き揚げても頬を緩めない。好調の要因を「集中できています」と語り、相撲内容について「良かったです」と3回繰り返し、感情を見せなかった。

 角界屈指の人気力士は度重なるケガを乗り越え、今場所は昨年夏場所以来8場所ぶりに三役に復帰した。15年春場所で左膝の前十字じん帯と半月板を損傷。それをかばう影響で翌年以降は両足首を相次いで痛めた。師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)は「ここ半年はうまくケガと付き合えるようになった。夏巡業でも稽古できたし、粘りが出てきた」と話す。相撲に取り組む真摯(しんし)な姿勢は変わらない。夏巡業終盤、北海道から帰京後に数日の休みにも稽古場で黙々と四股を踏んだという。

 入門は1年先輩でも、年齢では3歳下の大栄翔が幕内上位に定着し、新三役を視界に入れたことも発奮材料だ。師匠は「遠藤は“僕は僕です”というタイプだから口では言わないけど。年下に抜かれるという焦りはあるんじゃないか」と切磋琢磨(せっさたくま)にほくそ笑む。

 遠藤が自身の取組で国技館にざわついた雰囲気をもたらし、2大関が相次いで敗れた。いよいよ騒然とする中、結びで大栄翔が鶴竜から初金星。見事なアシストでもあった。(原口 公博)

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