【玉ノ井親方 視点】小兵・炎鵬 右肩テーピングも“速い攻め”で無傷3連勝

[ 2019年7月9日 20:15 ]

大相撲名古屋場所3日目 ( 2019年7月9日    ドルフィンズアリーナ )

<名古屋場所3日目>琴勇輝(左)を押し出しで破る炎鵬 (撮影・亀井 直樹)
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 小兵力士の炎鵬が、初日から3連勝して館内を湧かせている。琴勇輝戦は相手にきちんと当たってから取りたいという気持ちが先に立ち、呼吸が合わず3度目の立ち合いでようやく成立した。突っ張られて土俵際まで押し込まれたものの、左腕をうまくたぐって回り込み、態勢を入れ替えて押し出した。

 体が小さい力士は相手の懐に潜り込んで投げを打ったり、ひねったりして態勢を崩そうとするが、炎鵬は中に入っても取れるし、前に出る相撲も取れる。対戦相手にしてみれば、突き上げようとしても下から入られるうえに、いなそうとすると前に出てこられるので、かなりやりにくいタイプだと思う。

 肩にテーピングを施していて、体調は万全ではないのかもしれないが、逆にケガをしていた方が攻めが速くなる。自分の形で攻めていれば痛みも感じない。反対に下がってしまうと痛みが出る。要は速い相撲を取れば、ケガへの影響も少ないということだ。あすの照強戦は小兵同士の対決。お互いに粘っこい相撲を取るので観客も喜びそうだ。

 新入幕の貴源治も調子がいい。十両の時とは相撲が変わった印象を受ける。突っ張っても取れるし、四つ身にもなれる。初日の錦木戦は土俵際まで押し込まれたが、そこから腰の重い相手を押し返して勝った。それだけ力を付けた証拠。今場所は面白い存在になりそうだ。(元大関・栃東)

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2019年7月9日のニュース