大坂、2年連続3回戦進出 元女王アザレンカ逆転「勝てて良かった」

[ 2019年5月31日 05:30 ]

テニス 全仏オープン第5日 女子シングルス2回戦   大坂2―1アザレンカ ( 2019年5月30日    パリ・ローランギャロス )

第3セット、得点を決め「カモーン」と叫ぶ大坂なおみ(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 女子シングルス2回戦で第1シードの大坂なおみ(21=日清食品)は世界ランキング43位のビクトリア・アザレンカ(29=ベラルーシ)に4―6、7―5、6―3で競り勝った。12、13年の全豪女王で世界1位に就いた実績もある元女王を破り、2年連続の3回戦進出。次戦は初の16強入りを懸けて世界42位のカテリナ・シニアコバ(23=チェコ)と対戦する。 

 新旧女王対決を制すと、大坂は笑顔を左手で覆った。世界ランク90位の格下に苦戦した1回戦に続き、2戦連続の逆転勝ち。フルセットにもつれた2時間50分の激戦を制し「1回戦と比べてハイレベルだった。アザレンカは調子が良くて2セット目は大変だったけど、勝てて良かった」と振り返った。凡ミスを連発して自滅した初戦とは違う。16年の出産から復帰した元世界1位のベテランと、レベルの高い打ち合いの末に、耐えてつかんだ価値ある白星だった。

 序盤は動きが重く、最初のセットは開始から4ゲームを連取された。第2セットも先にブレークを許したが、相手サーブの第8ゲームを5度のジュースの末に奪うと、息を吹き返す。体力を消耗してスローダウンした相手の隙を見逃さず、鋭いリターンやフォアを連発。3度目の顔合わせで対戦成績を2勝1敗とし「過去2度の対戦も役立った」と経験も生かした。

 第2セット第6ゲームからは、1月の全豪後にコーチ契約を解消したサーシャ・バイン氏が視察。指導するムラデノビッチ(フランス)が29日の2回戦で敗れたため、スタンドに足を運んだ。第2セット終了直後に席を立ったバイン氏が見守った7ゲームで、2つのブレークを含む5ゲームを奪取。世界1位に導いてくれた恩師の前で会心のプレーを見せ、勢いに乗った。

 昨夏の全米で4大大会初制覇し、1月の全豪も優勝。68年のオープン化以降、初優勝からグランドスラムを3連勝すれば初の快挙となる。3回戦で対戦するシニアコバは18年2月のカタール国際でストレート勝ちした相手。1回戦は世界1位の重圧にも苦しんだが「今日は挑戦者の気持ちで戦ったので緊張しなかった。楽しめた。今年のクレーコートでは最もいい試合だった」と精神的にも充実している。試合後は観衆に「メルシー」と感謝。大歓声にラケットを振って応える背中には、女王の風格が漂った。

続きを表示

この記事のフォト

2019年5月31日のニュース