強いウッズが帰ってきた!14年ぶりマスターズ制覇で完全復活

[ 2019年4月16日 05:30 ]

USPGAツアー マスターズ最終日 ( 2019年4月14日    米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナルGC=7475ヤード、パー72 )

14年ぶりのマスターズ制覇を果たし、歓喜の雄たけびを上げるウッズ(AP)
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 タイガー時代第2章が幕を開けた。2打差の2位から出たタイガー・ウッズ(43=米国)が、6バーディー、4ボギーの70で回り、通算13アンダー、275で05年以来5度目の大会優勝を逆転で飾った。ケガやスキャンダルで低迷し、一度はどん底まで落ちた男が実に11年ぶりのメジャー制覇で通算15勝目。通算18勝のジャック・ニクラウスにあと3勝、サム・スニードの持つ米ツアー歴代最多82勝まであと1勝に迫った。

 何重ものパトロンが取り囲む最終18番。ウイニングパットを沈めたウッズは力強く両手を突き上げた。「タイガー!」「タイガー!」。地鳴りのようなコールがこだまする。興奮の渦の中、グリーン脇で待っていた長男のチャーリーアクセル君(10)、長女のサムアレクシスちゃん(11)ら家族と抱き合う。勝利をかみしめた瞬間だった。

 「また第一線で優勝できるとは想像もしていなかった。うそみたいだ。この勝利はこれまでの優勝の中で間違いなく一番大きいよ」

 2打差2位から最終組でスタート。首位のF・モリナリがスコアを落とす中、自身のプレーに集中した。通算12アンダーで並んでいた15番パー5。池越えで2オンに成功し、F・モリナリに重圧をかけた。第3打で池ポチャをしたライバルを横目にバーディーを奪い逆転。16番パー3ではピンそば80センチにつけるスーパーショットで抜け出した。昨年全英オープンで一時首位に立つも、失速して優勝したのは同組のF・モリナリ。雪辱も果たす、メジャーでは初めての逆転勝利となった。

 無敵を誇ったスターも4度の手術やスキャンダルで低迷し、世界ランクは1199位にまで下がった。2年前には抗不安剤による影響下で車を運転。うつろな目で逮捕され「引退を考えたこともあった」。18年にツアーに本格復帰し、9月のツアー選手権で5年ぶりの優勝を飾ったが、見据えていたのはその先。「特別な場所」と話すマスターズでの5着目のグリーンジャケットは完全復活の証だ。

 43歳。決して体は万全ではない。し烈な優勝争いを制し「だから髪が薄くなる」と笑うが、パット練習を長時間行うと背中に痛みが走る。だからこそ「僕の頭の中の小さな図書館」と話す経験を武器に戦った。97年にマスターズで初優勝した際には、父のアールさんが駆けつけてくれた。そして22年後には母と子供たち。「諦めずに戦った僕をきっと誇りに思ってくれる」と感慨深げだ。

 世界ランクは6位に浮上。昨年に「米国のトップ選手の一員となれるところまで復活できたら快挙」と関心を示していた20年東京五輪出場も現実味を帯びる。「再びゴルフができてさらに第一線で戦えるのは幸せ」。かつてのように力で他をねじ伏せるゴルフではない。「飛距離も必要だが、それ以上に攻め方の知識が重要。僕は知っている」。歴代最多メジャー18勝まで3勝。そして金メダルをも狙える“強いウッズ”が、新しいスタイルとなって帰ってきた。

 ◆タイガー・ウッズ 1975年12月30日生まれ、カリフォルニア州出身の43歳。スタンフォード大出身。3歳にしてハーフ48を記録。96年にプロ転向し97年のマスターズを21歳3カ月14日の史上最年少で制覇。99年に全米プロ、00年に全米オープンと全英オープンで優勝し4大メジャー制覇(グランドスラム)を達成。18年9月のツアー選手権で5季ぶりに優勝。米ツアー通算81勝、賞金王10度。1メートル85、84キロ。

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