11歳まで宝塚目指していた 4差2位から演じる 臼井の逆転劇 

[ 2019年3月31日 05:30 ]

アクサ・レディース 第2日 ( 2019年3月30日    宮崎県 UMKCC 6525ヤード、パー72 )

通算9アンダーで2位の臼井麗香
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 5位から出た“黄金世代”の臼井麗香(20=ディライトワークス)が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算9アンダーで脇元華(21=フリー)と並ぶ2位につけた。宝塚を目指すも断念し、昨年プロテストに合格した異色の美人プロが4打差大逆転での初優勝を目指す。この日ベストスコアの65で回った河本結(20=エリエール)が通算13アンダーで単独首位。トップ3を昨年7月のプロテスト合格のルーキー勢が占めた。

 逆転Vへの望みをつなぐ、最終18番のバーディーだった。残り200ヤードの第2打を3UTで2オン。8メートルのイーグルパットこそ沈められなかったが、後半唯一のバーディーを奪い、首位と4打差でホールアウトした。それでも“負けず嫌い”を自認する臼井には「気持ちが前に出ていて、自分にも自信があったので悔しかったです」と満足感はなかった。

 奇麗に巻いた髪を白いリボンで結ぶ美人プロだ。3歳から「主役になりたい」とタカラジェンヌを目指し、宝塚出身の先生に師事。クラシックバレエ、ジャズダンス、ボイストレーニングに励むも、ゴルフに専念するために11歳で断念した過去を持つ。開幕前日の28日は宝塚音楽学校の合格発表のニュースが目に触れた。「いいなあ」。舞台は違えど、観客からの声援を力に変えた。

 昨年プロテストに合格も、QTランクは65位。推薦での出場となった今大会が、自身の“開幕戦”だ。大舞台で戦うため、オフにスイングを改造。フラットから、クラブを立ててダウンスイングを行うように変え「入射角を鋭角にハンドファーストで打っている。球の止まり方が全然違う」と手応えを持って臨んだ。

 4打差を追いかける首位の河本は、同じ“黄金世代”で大会前の練習ラウンドも一緒に回るほどの仲良し。「(河本)結ちゃんのゴルフに対する姿勢を尊敬している」という。だからこそ、負けたくない思いは強い。「(最終組で)一緒に回るからには追い付きたい」と臼井。主役の座を奪ってみせる。 (中村 文香)

 ◆臼井 麗香(うすい・れいか)1998年(平10)12月7日生まれ、栃木県出身の20歳。9歳からゴルフを始め、日本ウェルネス高を経て2度目の挑戦で昨年、プロテスト合格。昨季は2試合に出場し、いずれも予選落ちした。目標とするゴルファーはイ・ボミ。趣味はダンスで、好きな色はピンク。1Wの平均飛距離は245ヤード。1メートル58、48キロ。

 ≪単独首位河本「勝ち方知っている」≫昨季ステップアップ・ツアー賞金女王の河本=写真=が7バーディー、ボギーなしの65をマークし、自身初の単独首位に立った。1打差の2位から出ると、9番からは圧巻の5連続バーディー。「(パットが)良い転がりで打てていたので“いつか来る”と待つだけでした」と笑みを浮かべた。

 日体大在学中の女子大生プロ。今大会は大学の1年後輩に当たる弟の力君がキャディーを務める。弟の助言で今大会から使う新パターが、好スコアを支える。昨季ステップアップ・ツアーでは4勝。「勝ち方は自分の心が知っている」と自信を口にした。

 ○…首位から出た脇元は5バーディー、3ボギーの70と伸ばし切れず、通算9アンダーで2位に後退。「ショットの精度が昨日より良くなかった。うまく当たりすぎて、アイアンが飛び出した」と振り返った。首位とは4打差。宮崎日大高時代に毎日ラウンドして慣れ親しんだコースだけに「逆転できない差ではないと思います」と言い切った。

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2019年3月31日のニュース