神野大地「自分が自分を信じなくなったら終わり」東京でMGC切符必ず

[ 2019年3月1日 15:57 ]

東京マラソンへの意気込みを語る神野大地
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 3日の東京マラソンを前に、神野大地(セルソース)が1日、都内で取材に応じた。

 青学大時代に箱根駅伝の山上りの5区で快走し、今井正人、柏原竜二さんに続く“3代目・山の神”と称された25歳だが、42・195キロの“下界”で苦しんでいる。

 過去4度、マラソンを走り、自己ベストは昨年の東京でマークした2時間10分18秒。プロ転向後、初めてのマラソンとなった18年9月のベルリンは途中棄権で、12月の福岡国際では2時間19分28秒と失速した。「プロになってまだ大きな成果は挙げられていないけど、やれるという思いでやっている」と前を向く。

 今大会の目標は、9月15日に行われる20年東京五輪代表選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権獲得。日本人1〜3位で2時間11分以内、日本人4〜6位での2時間10分以内に加え、ワイルドカードでの条件を満たす2時間11分42秒もターゲットになる。「僕の人生にとって、大きなレースになる。結果を出すだけ」と静かに意気込んだ。

 昨夏に続き、東京に向けてもケニアで合宿を敢行した。「(ケニアでは)みんな人生を懸けてやっていた。収入がなくて、いつ大きな大会に出られるか分からない状況でも、きつい練習を頑張っている。覚悟を持ってやっていたつもりだけど、もっともっと覚悟が必要。今の環境がどれだけ恵まれているか感じさせられた」と振り返る。

 マラソン大国での経験はメンタル面の変革に加え、技術面の進化も後押しした。ロードを走ることは少なく、起伏に富んだ不整地でのランニングがメーンだったことで、「蹴って前に進む部分が身についてきた。接地もフォアフット気味に変わってきた」と言う。アフリカ系トップランナーや日本記録保持者・大迫傑(ナイキ)と同様の走り方に変貌を遂げつつある。

 これまで2時間10分切りの「サブ10」もなければ、優勝もない。五輪代表争いから遅れを取っている自覚はある。「100人に聞いたら100人が、大迫さんや(前日本記録保持者の)設楽さんに勝つのは難しいと思っていると思う」とする一方、こう続けた。「自分自身が自分自身を信じている。自分が自分を信じなくなったら終わり」。神野に一番期待しているのは神野自身。五輪という最高峰の舞台への登頂ルートは、自らの力で切り開く。

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2019年3月1日のニュース