川内優輝はプロでも我流、マネジメントもスタッフも不要

[ 2019年2月24日 15:04 ]

静岡マラソンで優勝した川内。公務員としてのフルマラソンは3月10日のびわ湖毎日を残すのみとなった
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 男子マラソンの川内優輝(31=埼玉県庁)がプロ転向する4月以降、マネジメント会社と契約せずに活動する。プロの有力選手は新規スポンサー開拓、メディア対応やアスリートの価値を高めるための活動のサポートをマネジメント会社に委託することが多いが、川内は理想を追求するために自らコントロールすることを決めた。

 今は公務員のためレースの出場料を受け取ることはできないが、プロ転向後は出場料を受け取ることが可能に。「プロとして出場料をもらうのは当然だけど、私がやりたいのは小さい大会からは少しもらって、大きい大会からいっぱいもらうとか、そういうこと。マネジメント会社をつけると大きい大会ばかりになってしまうんじゃないか」。レース選択に他者の目論見が加わる可能性を排除した形だ。

 資金が潤沢なビックレースだけでなく、地方の小さな大会でも駆ける姿を見せてこそプロと考えている。「地方の大会に行くと“走ってくれてありがとう!”と言われるんです。それってお金を持っている大会はいい選手が走っていて、お金を持ってないところには誰も来ないってことじゃないですか」と熱く語った。

 マネジメント会社を付けないことで、競技以外のことも全て自分で行う必要があるが、公務員としてこれまで勤務してきた経験が役に立つ。「(競技外のことも)面倒じゃないですよ。今まで仕事で8時間働いていて、事務作業もできるし、交通や宿泊の手配も全部自分でやってきたので」と自信を見せた。

 専属トレーナーや栄養士らと契約して“チーム川内”を結成する可能性も0%だ。「人件費がもったいないじゃないですか!今まで通り近所で鍼を打ってもらえばいいんです。好きなものを食べたいし!」。そして、「やっすいプロですよ!」と不敵な笑みを浮かべた。マネジメント会社と契約すること、チームを結成することが悪いわけではない。川内はただ、自らが信じる道を進むだけだ。(記者コラム・杉本 亮輔)

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2019年2月24日のニュース