【岡崎真が見た羽生Vの要因】急きょ構成変更も見事だった冒頭の2つのジャンプ

[ 2018年11月18日 08:30 ]

フィギュアスケート GPシリーズ第5戦ロシア杯 ( 2018年11月17日    モスクワ )

男子フリーの演技をする羽生結弦。自身初のGPシリーズ連勝を果たした(撮影・小海途 良幹)
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 【岡崎真が見た羽生Vの要因】五輪の時のようにケガをしてから本番まで時間があれば、構成を変えてミスした時にどうすればいいかの詳細なシミュレーションが可能だが、今回はあまりにも時間が短すぎた。2本目の4回転トーループは本来はトリプルアクセル(3A)につなげるところだが、ステップアウトのような感じになってしまったのでとっさにそのまま3回転サルコーをつけて3連続にしたようにも見えた。

 その後も予定外の流れで次の3Aをどうするかの考えが間に合わずに転倒してしまったのかもしれない。シングルアクセルになってしまったところは、いつものように3連続をやろうとして途中でここでやったら駄目だと気付いたのだろう。

 もちろん、足が痛くてそういう流れになってしまったのかもしれないし、本当のところは本人にしか分からない。クレバーな羽生をもってしても今回のような短時間で、ミスをしたときのリカバリーまでは及ばなかったということだろう。

 それでも冒頭の2つのジャンプは見事だった。4回転サルコーはもちろん、次の4回転トーループは抜群だった。後半にスタミナ切れのようなところも見えなかったし、とりあえず今回は無難に終わって良かった。ファイナルまではまだ2週間あるので、ケガを治してしっかり調整してほしい。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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