勝みなみ プロ初V王手「ビックリです」

[ 2018年11月18日 05:30 ]

女子ゴルフツアー大王製紙エリエール・レディース第3日 ( 2018年11月17日    愛媛県 エリエールGC松山 6525ヤード、パー72 )

18番チップインイーグルにガッツポーズをする勝みなみ(撮影・井垣 忠夫)
Photo By スポニチ

 首位に7打差の17位から出た“黄金世代”勝みなみ(20=明治安田生命)がベストスコア64をマーク。通算13アンダーの首位に立ち、プロとして初優勝に王手をかけた。有村智恵(30=日本HP)、松田鈴英(20=ニトリ)、アマチュアの上野菜々子(18=大阪・東海大大阪仰星高3年)が首位並走。優勝争いは首位と3打差に12人がひしめく大混戦となった。

 いつ以来だろう。観衆の声援を一身に集める高揚感。会見場に姿を見せた勝は耳まで真っ赤に染めていた。

 「ビックリです。今日も6アンダーで止まるかなと思ってたんですけど、最後に、なんか、いきなり」

 最終18番。フェアウエーから残り99ヤードを50度のウエッジで打った第2打はカップの右20センチに落下し、サイドスピンで転がりながらカップに消えた。ヘッドに鷲のイラストを施したお気に入りの一本で、会心の一打。今季2個目のイーグルで自己ベストを1打更新する64の快スコアを叩き出した。

 勝が14年KKT杯バンテリン・レディースで成し遂げた15歳293日でのアマチュア優勝は今も日本ツアーの最年少記録。まだ「黄金世代」という言葉もない時代に宮里藍の後継者として同世代の先頭を突っ走っていた。

 その勝が今年8月末から人生最大のスランプに陥った。ショットの不調から棄権を挟んで4試合連続予選落ち。人生初の棄権となった9月のマンシングウェア東海クラシックでは前半のアウトで46を叩き、号泣しながら会場を去った。体の捻転が足りないという芹沢信雄プロからの助言で荒れ球は収まりつつあるが、今大会も初日にOB2発。「アンダーで回れてることに感謝」と心に不安を抱えながら終盤戦を戦っている。

 「おいしいものを食べるのが一番」と前夜は愛媛の郷土料理を堪能してリフレッシュ。同世代の先頭を走る畑岡の背中を追って。勝負の18ホールとなる。

 ≪18歳アマ上野 台風の目になる≫最終日最終組で対決するのは平均年齢19・3歳の勝、松田、上野の若い3人。中でも台風の目になりそうなのが勝らに続く史上7人目のアマチュア優勝を目指す上野。首位に1打差の2位から出たこの日はメジャー優勝経験を持つ有村、テレサ・ルーと初の最終組を経験したが、臆することなく逆に順位を上げてきた。有村は「高校時代の私と比べると賞金女王と新人の差がある」と上野を絶賛した。

 ≪一ノ瀬シード復活だ≫優勝争いとは別次元で繰り広げられている賞金シード争い。賞金ランク52位の一ノ瀬が17位につけて3年ぶりのシード復活に王手をかけた。「大逆転なんて人生でそんなにあるもんじゃない。自分のベストを尽くせれば」。13、14年の2年間でツアー3勝。故郷熊本の先輩、不動裕理に続く賞金女王を目指していたが、相次ぐ故障で低迷。プロ11年間で2度のシード落ちを味わった。このままの順位を維持すればシードに返り咲くが浮かれムードはない。

続きを表示

この記事のフォト

2018年11月18日のニュース