内村 若手に「ありがとう」体操ニッポン東京で世界一奪還必ず

[ 2018年10月31日 05:30 ]

体操 世界選手権第5日 ( 2018年10月29日    カタール・ドーハ )

男子団体総合で銅メダルを獲得した(左から)白井、谷川航、田中、萱、内村、谷川翔
Photo By 共同

 男子団体総合決勝で日本は合計253・744点で銅メダルとなり、連覇を逃した。田中佑典(28=コナミスポーツ)の平行棒での落下が響いたが、内村航平(29=リンガーハット)は4種目で好演技を披露し、白井健三(22=日体大)ら大学4年生トリオも奮闘。全競技を通じて、20年東京五輪の自力出場枠第1号となった。

 体操のナショナル選手は、日本協会から番号が割り当てられる。五輪で金メダル5個の故遠藤幸雄氏の「1」から始まり、内村は「162」。平行棒で痛恨落下の田中が「165」で、白井は「189」、萱と谷川は190台だ。「162って言ったら“今でもガラケーを使ってますよね”みたいな感じ」と笑う内村の視線の先には、奮闘する“白井世代”の姿があった。

 「心配もしていなかったし、何も言うことはない。しっかりやってくれて“ありがとうございました”って感じです」

 9月末に右足首を痛めた影響で、内村は08年北京五輪以来となる4種目だけの出場。苦しいチーム事情の中、白井は床運動と跳馬でチームトップの得点を叩き出し、団体決勝で初めて鉄棒も演技した。「自分の出番で自分の演技ができた。悔しくないはずはないけど、やりきった銅メダル」と胸を張った。

 萱は4種目、谷川はチーム最多5種目で大舞台に立った。「任された種目をかなりいい出来で終えて勝てなかったので、少し難しい感情がある」と萱が言えば、「中国とロシアのデッドヒートに入れなかったので悔しい」と谷川は振り返る。団体銅メダルは06年大会以来12年ぶりの屈辱。2人に渦巻く感情は、今後の糧になる。

 自らを“長老”と表現する内村に、エースの座を譲るつもりはない。「これからも、団体のひりつく場面で日本を支えていきたい」とし、「日本の体操が間違いなく世界で一番と思っている。信じてやっていく部分と、変えていく部分。考えて答えを出さないといけない」と前を向いた。キングと若手が融合し、TOKYOへの黄金探しの旅が始まる。

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