フォン・シャンシャン　わずか５分、驚異の集中力　葭葉も参考

ＴＯＴＯジャパンクラシック　練習場でストレッチを行うフォン・シャンシャン（撮影・成瀬　徹）
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　【ココが凄いよ海外勢（２）】全米女子オープン予選会に４年連続で出場するほど米ツアーに強い関心を持つ葭葉ルミ（２５＝富士住建）が熱視線を送るのは、今大会２連覇中のフォン・シャンシャン（２９＝中国）のメンタル面だ。

　「“感情の起伏が少ない”と聞いて、そこを見習いたいと思いました。ゴルフはメンタルのスポーツですから」。今大会、葭葉は過去にフォン・シャンシャンとペアを組んだことのあるキャディーを初起用。話を聞く中で、世界最高峰で戦える理由の一つに精神面の強さを感じた。

　中国出身。１８歳で米国に渡り、フロリダ州のゴルフアカデミーＩＪＧＡに入校。そこでメンタルコーチに初めてカウンセリングを受けた。当時のことを「そういう気持ちのコントロールの方法があるんだと驚いた」と振り返る。

　現在も実践する方法はシンプルだ。ショットやパットを打つまでの数十秒以外を、リラックスして過ごす。具体的にはショットを打った後やホール間に、あえてキャディーに話し掛ける。「考えすぎてナーバスにならないように、話をして笑っている」そうだ。

　１ラウンドの平均競技時間は約５時間。イーブンパーの７２で回ったと仮定して、ショットに要する時間はわずか５分に満たない。「１８ホール集中力は続かないからね」とフォン・シャンシャン。世界ランキング９位につける実力の裏には、技術だけでないメンタルコントロール術がある。

　◆フォン・シャンシャン　１９８９年８月５日生まれ、中国・広州市出身の２９歳。１０歳でゴルフを始め、０７年にプロ転向。中国人選手として初のＬＰＧＡメンバーとなった。１２年にメジャーの全米女子プロ選手権で初優勝を飾るなど米ツアー通算９勝。日本ツアーでも５勝を挙げている。１６年リオ五輪では銅メダル。１７年には世界ランク１位に立った。１メートル７２。