大輔「最低」復帰戦3位も視線は前へ 4回転へハートに火がついた!

[ 2018年10月9日 05:30 ]

フィギュアスケート近畿選手権最終日 ( 2018年10月8日    兵庫県尼崎市・尼崎スポーツの森 )

ほろ苦いフリーとなってしまった高橋は苦笑い(撮影・長久保豊)
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 4年ぶりに現役復帰した10年バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔(32=関大KFSC)は、合計195・82点で3位だった。フリーは4位の118・54点にとどまり、ショートプログラム(SP)首位から暗転した。それでも出場者が予選通過者数に満たなかったため、11月の西日本選手権に進む。今後は今大会は封印した4回転ジャンプに取り組む。友野一希(20=同大)が合計206・80点で優勝した。

 7つのジャンプのうち6つに失敗した。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は2本とも転倒。高橋は不本意な結果を、カラッとした声で悔やんだ。

 「最低です。練習でもここまでボロボロはなかった。復帰してから初めてです」

 フリー曲「ペール・グリーン・ゴースツ」はミスが続いた。14年ソチ五輪から4年ぶりのフリー。首位だったSPより演技時間が1分20秒長い(4分)分、ブランクが如実に表れた。「呼吸はきつくないけど足が動かなくて。自分でもよく分からない状態でした」。それでも満員約1500人の観衆から“大ちゃんコール”が響き、3位表彰台に、温かい拍手が送られた。

 今年7月のカムバック宣言時に、12月の全日本選手権(大阪府門真市)のフリーで最終グループに入ることを目標に掲げた。秘策はある。長光歌子コーチは、「全ての条件がそろえば絶対にできると思います」と4回転ジャンプで2番目に基礎点が高いフリップや、サルコーなどの大技の導入を示唆した。

 「このまんまでは本当にヤバいんで。とりあえずやるしかない」。10年バンクーバー五輪でフィギュア日本男子初のメダルを獲得したパイオニア。理想とかけ離れた再スタートで、プライドに火がついた。反撃はここから始まる。 (倉世古 洋平)

 《全日本選手権目指し11月に西日本選手権》高橋の次戦は、11月の西日本選手権(3日SP、4日フリー=日本ガイシアリーナ)になる。ここでシード選手などを除いて上位11人に入れば、12月の全日本選手権(22日SP、24日フリー=東和薬品ラクタブドーム)に出場できる。実力を発揮できれば、日本一を争う舞台への出場は堅いだろう。ただし、目標に掲げる全日本選手権フリーの最終グループ6人に入るためには、昨季の世界選手権で5位の友野ら台頭する若手との戦いになりそうだ。

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