なおみ 泣いちゃったけど逆転勝ち!4強もヘトヘト目は真っ赤

[ 2018年10月6日 05:30 ]

テニス 中国オープン ( 2018年10月5日    中国・北京 )

試合中に不調で泣き出す大坂なおみ(AP)
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 世界ランキング6位で第8シードの大坂なおみ(20=日清食品)が“涙の4強入り”を決めた。女子シングルス準々決勝で同45位の張帥(チョウスイ、29=中国)に3―6、6―4、7―5。精彩を欠いたプレーで第1セット序盤から泣き出し、泣いたまま試合を続けて逆転した。ツアー3勝目を目指し、準決勝では世界20位のアナスタシヤ・セバストワ(28=ラトビア)と対戦する。

 勝つも涙、勝たぬも涙。涙、涙の大坂なおみ劇場が北京のセンターコートで繰り広げられた。試合後に張帥とネット越しに抱き合った大坂は「おめでとうと言われたので自分の振る舞いを謝った」。その瞳は泣き腫らして赤く、勝者と思えぬありさまだった。

 幕開けから波乱含みだった。開始直後にダブルフォールトを犯し、ミスが続いていきなりブレークされた。第2ゲームで早くもラケットを投げ捨てて不穏なムード。「今日は少し疲れていた。いつもより感情的にもなった」と3ゲームを連取されると突然ベンチで泣き始めた。

 まだ試合は始まったばかり。バイン・コーチがベンチに駆けつけたが、なだめても、すかしても「どうして調子が悪いのか分からない」と泣きやむ気配はなし。ポイントを決めては涙、トスアップでも涙、第1サーブと第2サーブの間にも涙。ところが泣きながら直後の2ゲームを連取し、第2セットも奪い返すところが説明不可能な大坂の強さだ。

 全米制覇の原動力となった“我慢”のプレーはどこへやら。単発の強打でミスを連発し、51本の決定打とひきかえに凡ミスは66本を数えた。ラケットを置いてしゃがみこんだり、投げ捨てたりと、子供が駄々をこねるように荒れまくった。

 第2セット終盤にようやく泣きやんだが、気持ちは晴れずじまいだった。「頑張り続ける姿を見たいんだ」とバイン・コーチに励まされても「今日はハッピーじゃないわ」と首を振った。それでも「勝ち負けを考えるのをやめて、今どうするかだけを考えた」と最後には勝ってしまうところも規格外の証。「今日は疲れ切った」と本人はヘトヘトだったが、新たな大坂なおみ伝説が刻まれた摩訶(まか)不思議な一戦となった。

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