大型クライマー楢崎明智が予選突破!W杯での兄弟表彰台狙う

[ 2018年6月3日 05:30 ]

スポーツクライミング ボルダリングW杯第1日 ( 2018年6月2日    エスフォルタアリーナ八王子 )

<ボルダリングW杯八王子2018初日>男子予選、長い手足を使って課題に挑む楢崎明智(撮影・小海途 良幹)
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 男子で16年世界選手権を制した楢崎智亜(ともあ、21=TEAM au)の弟・明智(めいち、19=同)が11位で予選を通過した。難しいコース設定に苦しんだが、5つの課題のうち2つをクリアし5位の智亜とともに3日の準決勝に進出。1メートル86の大型クライマーが、W杯初優勝を狙う。女子は野口啓代(29=同)、野中生萌(みほう、21=同)が順当に準決勝に駒を進めた。

 自国開催の国際舞台で、19歳にはアピールしたいことがあった。「楢崎明智は、まだ生きている」。兄の智亜は16年世界選手権を制し、17年はW杯の複合で総合優勝。偉大な兄の陰で、弟も虎視眈々(たんたん)と活躍を狙う。昨年のW杯八王子大会は予選落ちを喫したが、今年は予選通過。難しいコース設定に苦しみ、「しんどい大会」と苦笑いを浮かべたものの、確かに存在をアピールした。

 1メートル86の大型クライマー。背が高く痩せ気味の体形で、友達からは「エヴァンゲリオンに出てくる“初号機”とか、“進撃の巨人”とか呼ばれていた」と笑う。3月、地元・栃木での表彰式ではプロバスケットボール選手の田臥勇太と対面。田臥には「君、なんでバスケやっていないの?」と言われた。長い手に加え、「繊細な脚の動き」が武器。「体が大きいことで不利になって、何もできない大会がある」と言う一方、サイズが生かせるコース設定なら爆発する可能性も秘めている。

 昨年はボルダリングのW杯米国大会で自己最高の2位に入り、リードでは世界ユース選手権で銀メダル、スピードは日本ランク1位。3種目の複合で争う20年東京五輪も視界に入る。今年2月に腰痛を発症して約1カ月練習できなかったが、今は状態に問題はない。「目標は決勝に行くこと。あわよくば智くん(智亜)と表彰台に乗りたい」。偉大な兄を超えた時、楢崎明の存在感はさらに大きくなる。

 ◆楢崎 明智(ならさき・めいち)1999年(平11)5月13日生まれ、栃木県出身の19歳。兄・智亜の影響で8歳でクライミングを始める。ボルダリングW杯では17年米国大会の2位が最高。今年はボルダリングとリードで日本ユース選手権を制した。1メートル86、60キロ。

 ▼スポーツクライミング ボルダリングは高さ約3〜5メートルの壁に付いたホールド(突起物)を手掛かり、足掛かりにして複数の課題(コース)に挑み、完登した数を競う。リードは登った高さを競い、スピードは登る速さを競う。初めて実施される20年東京五輪は男女各20人が出場し、3種目を1人で行う複合で争う。

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