【岡崎真の目】女子は「210点超時代」 真凜Vは評価も得点物足りない

[ 2017年9月18日 09:37 ]

フィギュアスケートUSインターナショナルクラシック ( 2017年9月16日    米ソルトレークシティー )

女子フリーで演技する本田真凜。シニアデビュー戦で優勝を果たした
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 長洲、チェンといった実績ある選手が参戦した大会で、シニアデビューの本田が優勝したことは評価したい。3回転サルコーが2回転となった以外にミスはなく、ジャンプの安定感はシーズン初戦とは思えないほどだった。サルコーはやや安易に入ってしまった印象だったが、技術的に大きなトラブルではなかったと思う。

 一方で、プログラム全体としては少し単調に感じた。使用曲の「トゥーランドット」は美しい旋律の中に起伏があるべきもの。この日は演技の抑揚があまり見られず、結果的にサラッとした印象になった。ジュニア時代とは異なる濃密な4分、さらに高地という条件で、体力を温存したのかもしれないが、得点を伸ばし切れなかった原因の一つは、ここかもしれない。

 実際、ロンバルディア杯では、世界ジュニアで本田に勝ったザキトワが合計218・46点で優勝。樋口も217・63点をマークしている。女子のトップ選手は210点を超えて勝負する時代で、合計得点も少し物足りない。ただし、ジャンプにこれだけ安定感がある本田の場合、技術的な「改修」はほぼ必要なく、今後は得点を上積みする「改善」に集中できるだろう。新プログラムを投入するSPも含め、GPシリーズを楽しみに待ちたい。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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