藤本 執念の銅 北京「銀」以来「やっとここまでたどり着いた」

[ 2016年9月10日 05:30 ]

<リオパラリンピック柔道男子66キロ級(視覚障がい)3位決定戦>銅メダルを獲得し寄せ書き入りの日の丸を掲げる藤本

リオ・パラリンピック 柔道男子66キロ級(視覚障がい)3位決定戦 藤本(優勢勝ち)―バレイキス

(9月9日)
 視覚障がい者による柔道で、男子60キロ級の広瀬誠(39=愛知県立名古屋盲学校教)が04年アテネ大会以来3大会ぶり2度目の銀メダルを獲得し、日本選手団メダル1号となった。66キロ級の藤本聡(41=徳島県立徳島視覚支援学校職)は銅メダルを獲得。全7階級でメダルを獲得したリオデジャネイロ五輪の柔道男子に続き「柔道ニッポン」復活を予感させた。また、競泳男子100メートル背泳ぎ(知的障がい)では津川拓也(24=ANAウイングフェローズ・ヴイ王子)が銅メダルを獲得した。

 藤本が2大会ぶりのメダルとなる銅メダルを死守し「8年経てやっとここまでたどり着いた。最低限の結果は残せた」と安どの息をついた。準決勝でアゼルバイジャン選手に完敗したが、3位決定戦ではリトアニア選手の圧力に耐えて、優勢勝ちした。

 96年アトランタ大会から3大会連続の金メダルを獲得したレジェンド。北京大会は銀メダル、ロンドン大会は代表からも漏れた。負傷を抱える両手首には「ボロボロになっても後悔したくない」と痛み止めの注射を打って臨んだ。かつてほどの動きの切れはないものの、熱い気持ちは変わっていない。柔道代表最年長41歳は「一番てっぺんで最高の景色を見て引退したい」と20年東京大会にも色気たっぷりだ。

 ◆藤本 聡(ふじもと・さとし)1975年(昭50)8月2日、徳島県徳島市生まれの41歳。先天的に視覚障がいを持ちながら5歳で柔道と出合う。徳島商時代は健常者と練習。初国際大会だった96年アトランタ・パラリンピックで優勝し00年シドニー、04年アテネと3連覇。現在は徳島視覚支援学校で職員を務めながら徳島商柔道部も指導する。1メートル70、平常時の体重は70キロ。

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2016年9月10日のニュース