稀勢 白鵬不在も…いきなり難敵2連戦「油断できない」

[ 2016年9月10日 05:30 ]

<稀勢の里 朝稽古>張りのある体つきの稀勢の里は稽古後もリラックスした表情を見せる

大相撲秋場所

(11日初日、両国国技館)
 日本相撲協会は9日、大相撲秋場所(11日初日、両国国技館)の取組編成会議を開き、綱獲りに挑む大関・稀勢の里(30)は初日に東前頭筆頭の隠岐の海、2日目は小結・栃煌山との対戦が決まった。隠岐の海には初優勝のチャンスだった昨年秋場所で敗れており、栃煌山には先場所、土をつけられた。春場所から13勝、13勝、12勝と積み重ね、優勝なら横綱昇進が濃厚な状況で、いきなり序盤に難敵を迎える。

 場所前の出稽古を終え、稀勢の里は東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で最終調整に入った。三段目力士相手の立ち合いの確認では、鋭い踏み込みからの押しで羽目板まで吹っ飛ばした。先場所までの調整との比較を尋ねられると「いい具合にやれたと思う」と手応えを口にした。

 横綱・白鵬が右足親指などの負傷で休場。初優勝の可能性が高まった格好だが、綱獲りへの関門がいきなり待ち受ける。初日の隠岐の海には16勝2敗と大きく勝ち越しているが、敗れたのはいずれも秋場所。昨年秋場所は横綱・日馬富士が全休、白鵬は3日目から途中休場となったが、9日目に隠岐の海に敗れたのが響き、1差で優勝決定戦進出を逃した。2日目の栃煌山とは22勝14敗。先場所は5日目に苦杯をなめ、結果、優勝の日馬富士に1勝及ばなかった。

 難敵との2連戦。稀勢の里は「まあ、やるだけですね。(2人とも)上位に来ている力士だから油断はできない。気を引き締めてやる」と慢心はない。逆に、この関門を突破すれば勢いに乗れるはず。「15分の2」以上に大きな意味を持つ2日間となる。

 稀勢の里の横綱昇進について、日本相撲協会審判部は改めて初優勝を条件に挙げた。二所ノ関部長(元大関・若嶋津)は「千秋楽まで見てから。大関が優勝してくれないと」と話し、友綱副部長(元関脇・魁輝)は「優勝しないと声を上げづらい」と語った。勝ち数にかかわらず、まずは賜杯を抱くことが求められる。

 3場所連続で終盤まで優勝争いに加わりながら、賜杯までは1勝、2勝が足りなかった。「優勝が近づいている?そうですかね。集中してやるだけじゃないですか」。ゴールは見据えず、目の前の一番に全てをぶつける。その積み重ねで、3代目若乃花以来となる18年ぶりの和製横綱誕生へとつなげる。

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2016年9月10日のニュース