熊本出身27歳・永野 ツアー初快挙2週連続首位発進

[ 2016年4月22日 05:30 ]

18番でアプローチショットを放つ永野

男子ゴルフツアー パナソニック・オープン第1日

(4月21日 千葉県野田市 千葉カントリークラブ梅郷コース=7130ヤード、パー71)
 熊本出身の永野竜太郎(27=フリー)が6バーディー、ボギーなしで今季自己最少に並ぶ65をマークした。3位に入った先週の東建ホームメイト・カップに続き自身初の2週連続首位発進となった。国内開幕から2戦連続首位スタートは資料が残る85年以降ではツアー初の快挙。震災に見舞われている故郷に吉報を届けるためツアー初優勝を追いかける。

 分岐点は6番パー5。永野は第1打を左の林に曲げた。第2打はフェアウエーに出すだけ。ピンまで170ヤードも残ったが、6Iで1メートルに付けてバーディーを奪った。「パーでいいやと思ったのにバーディーが取れたので気分的に楽になった」。勢い付くと9番で3メートルを沈めてスコアを伸ばした。11番は残り137ヤードからPWで1メートルにピタリ。12番は6メートル、13番は3メートルのパットを入れて3連続バーディーを奪った。

 ショットの調子は「自信を持ってピンを狙える感じではない」。千葉CC梅郷Cは学生時代から回っているが「良いスコアを出しているイメージはない」。不安材料が多かった分、丁寧にプレーしてパーオン率は全体1位の94・44%だった。

 永野がスタートした午前中はほぼ無風。午後から強風が吹いた。「風が吹く前にスコアを伸ばせたのはラッキー」。条件にも恵まれ自身初の2週連続首位発進。国内初戦から2戦連続初日首位は85年以降初の快挙だ。

 地元の熊本は余震が続く。熊本市内にいる母・益美さん(54)も車中泊を強いられており心配は絶えない。次週の中日クラウンズ後に救援物資を携えて帰郷するが、それまではゴルフだけに専念する構え。「逆に良いスコアを出すことに集中できている」。ツアー初優勝を視界に捉え故郷の期待を感じるが「背負っているというより背中を押されている」と力に変えている。

 1月のアジアンツアー最終予選会で20位に入り出場権を得た。ただし、同ツアーと提携する欧州ツアーの主要試合出場は確定していない。今大会で優勝すればアジアンツアーの2年シードが与えられ、獲得賞金は同ツアーのランキングに加算される。アジアをステップに欧州を狙う永野は「欧州ツアーの大きな試合に出るためにも今週はできるだけ賞金を加算したい」と意気込んだ。

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