“オンニ”李知姫、逃げ切りV!妹分追い上げも耐えた

[ 2015年10月26日 05:30 ]

通算9アンダーで優勝し、全美貞(手前)に祝福され涙ぐむ李知姫

女子ゴルフツアーNOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日

(10月25日 兵庫県三木市 マスターズGC=6543ヤード、パー72)
 単独首位から出た李知姫(36=韓国)が3バーディー、3ボギーの72と耐え、通算9アンダーの279で今季2勝目、通算19勝目を飾った。賞金総額1億4000万円を誇る4日間のビッグトーナメントで優勝賞金2520万円を獲得。強風の影響でアンダーパーをマークしたのは5人だけだったが、36歳のベテランは我慢のゴルフで崩れなかった。4打差の3位に渡辺彩香(22=ユピテル)、ホステスプロのイ・ボミ(27=韓国、マスターズGC)らが入った。
【最終成績】

 最終18番。50センチにも満たないウイニングパットを沈めた李知姫は、柔らかな笑みを浮かべた。今季は2戦目で早々と優勝したが、6月のニチレイ・レディースから3戦連続2位と勝ちきれず、2勝目が遠かった。「このチャンスは逃したくないと思っていた。きょうは熱い気持ちでプレーできたことが良かった」と喜びをかみしめた。

 同組で回るホステスプロのイ・ボミへの声援が大きく、雰囲気はアウェーさながら。それでも、「その中でセルフコントロールをするのもゴルフの技術の一つ。それができないとどんな状況でもうまくできない」とベテランに気負いはなかった。4番パー3は8Iでのティーショットをピンそば1メートルにつけてバーディーが先行。10番では13メートルのバーディーパットをねじ込んだ。一時はアン・ソンジュに並ばれたが、15番で3メートルを決めて再び単独首位に立つと、1打差で逃げ切った。

 00年から日本ツアーに参戦、20代半ばからスイング改良に乗り出した。「試行錯誤しながら10年くらい過ぎてしまった。今年ようやくつかめた気がする」。10年かけて築いた軸を動かさないスイングが、この日の強風の中で真価を発揮した。

 今季は5試合を残すのみだが、次なる照準は米ツアーを兼ねるTOTOジャパン・クラシック(11月6日開幕、三重・近鉄賢島CC、スポニチ主催)での3勝目。勝てば来季の米ツアーのシード権を得られるため「来年は海外メジャーに出たいし、他にも出たい試合がある。ぜひ勝ちたい」と目を輝かせる。イ・ボミら韓国の後輩プロには「オンニ(お姉さん)」と慕われる36歳。あと11勝で得られる永久シード(30勝)や、来季以降の賞金女王にも意欲を見せるオンニはまだまだ進化中だ。

続きを表示

この記事のフォト

2015年10月26日のニュース