旭天鵬、引退危機9敗目 十両陥落なら公言「ダメだヤバイね…」

[ 2015年7月24日 05:30 ]

9敗目を喫し、力なく一礼して引き揚げる旭天鵬

大相撲名古屋場所12日目

(7月23日 愛知県体育館)
 崖っ縁力士たちが大ピンチだ。西前頭11枚目の旭天鵬は佐田の富士に寄り切られて9敗目を喫した。幕内残留を確実にするには残り3番全勝が必要。陥落すれば引退を公言しており、土俵人生の瀬戸際に追い込まれた。十両の若の里は9敗目、カド番大関・琴奨菊は7敗目で、それぞれ陥落の危機となった。1敗は白鵬と鶴竜、3敗は照ノ富士ら5人となった。
【12日目取組結果】

 これまでどんなに負けても冗談を飛ばし、努めて明るく振る舞っていた男から笑顔が消えた。9敗目を喫した旭天鵬は支度部屋に戻ってくると「ダメだ」と小声でつぶやき「ヤバイね。体は大丈夫だけど、気持ち的にしんどい」と弱音を繰り返した。

 過去9勝1敗と相性のいい佐田の富士戦は今場所の悪い流れを変える絶好の機会のはずだった。しかし、200キロの巨漢のもろ手突きで体を起こされると、左を差されて一気に寄られた。ほぼ無抵抗に土俵を割り「(立ち合いが)高いね。腰が立っているから200キロ相手には残せない。対戦成績がいいから、いけると思ったのにね」と無念さをにじませた。

 「追い込まれた」。十両で相撲を取る意思のない旭天鵬にとって陥落は引退を意味する。残り3日。2勝1敗だと残留は微妙で、確実にするには3勝が必要。幕内最年長初優勝など数々の記録を打ち立ててきた40歳の“角界のレジェンド”が幕内在位100場所目となる来場所の土俵に立つためには、もう一つも星を落とせなくなった。

 残留目安が7勝だった先場所も、6勝6敗となった12日目で一度は諦めかけた。恵子夫人には「引き際かもしれない」と漏らした。だが、そこから2勝1敗と巻き返し、残留だけでなく、勝ち越しまで決める勝負強さを発揮した。今場所はさらに厳しい残り3日間になるが「チャンスがあると思ってやるしかない。2勝1敗でも望みはあるわけだし」と必死に気持ちを奮い立たせていた。

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2015年7月24日のニュース