照が主役 新大関Vへ初日前日に唯一居残り異例ファンサービス

[ 2015年7月12日 05:30 ]

土俵祭り後にファンサービスする照ノ富士

大相撲名古屋場所初日

(7月12日 愛知県体育館)
 大相撲の名古屋場所は12日に愛知県体育館で初日を迎える。11日には同体育館で三役以上の力士らが出席して15日間の安全を祈願する土俵祭りが行われ、新大関・照ノ富士(23=伊勢ケ浜部屋)も参加。土俵祭り終了後には初日前日ながらも、一人だけ残って会場側の“サプライズファンサービス”に呼ばれた。今年春場所からたった2場所で角界一の注目の存在となった23歳が昭和以降で史上7人目の新大関Vを狙う。

 本場所が1日後に迫ったピリピリムードの中でも、照ノ富士は看板力士として責任を果たした。三役以上の力士が参加した土俵祭り後。新大関だけが居残って会場の正面玄関へと出向き、地元小学生の家族30組それぞれと写真撮影を行った。初日前日のファンサービスイベントは異例のことだが、23歳は淡々と仕事をこなして自身の状態について問われると「いいんじゃない」と余裕の一言。現在の心境も「あまり変わらない」と自然体を強調した。

 この日のファンサービスは相撲協会主催ではなく、地元教育スポーツ振興財団が実施する「愛知県体育館名古屋場所50周年記念行事」の一環。担当者は「50年の節目なので新大関に依頼しました。土俵祭り見学に来た200組の家族の中から当日サプライズで30組が写真撮影に選ばれた」と説明した。照ノ富士は常々、「大関になったら責任がある」と自分の役割を自覚。06年夏場所の白鵬以来、昭和以降で史上7人目の“新大関V”に向けても「緊張はない」と断言している。

 今年3月の春場所に新三役となっていきなり13勝を挙げ、先場所に初優勝して大関昇進。わずか3カ月という“超短期間”で大出世を果たした。それだけに、事前から準備されていた名古屋場所のポスターには写真掲載が間に合わなかった。3横綱の後ろに写っているのは遠藤と逸ノ城。しかし、2人の人気力士を追い抜き、いまや押しも押されもせぬ角界一の注目力士となった。

 北の湖理事長(元横綱)も「照ノ富士は勢いがある。目標の成績も今までより上がるだろうし、8勝とはいかない」と高レベルの成績を期待。初日の相手は過去4戦4勝の碧山。次の横綱候補No・1まで一気に駆け上がった新大関の戦いがついに幕を開ける。

続きを表示

この記事のフォト

2015年7月12日のニュース