錦織4強ならず、世界1位ジョコビッチにフルセット敗退

[ 2015年5月16日 05:30 ]

準々決勝のジョコビッチ戦で奮闘する錦織

テニス イタリア国際

(5月15日 イタリア・ローマ)
 男子シングルス準々決勝が行われ、世界ランク6位で第5シードの錦織圭(25=日清食品)は同1位のノバク・ジョコビッチ(27=セルビア)に3―6、6―3、1―6で敗れて準決勝進出を逃した。第2セットの第6ゲームで初めてブレークに成功すると一度は流れを引き寄せたが、競り負けた。14日の3回戦ではビクトル・トロイツキ(29=セルビア)をストレートで下したが、難敵の前に力尽きた。錦織は24日に開幕する全仏オープンに切り替える。

 競り負けた。錦織はコートのイレギュラーなバウンドに苦しみながらも、世界1位に応戦。「鋭いストロークもあるしコントロールが特に彼はいい」と認める安定したストロークで守備力の高いジョコビッチに対し、リターンから鋭いコースを狙った。第2セットの第6ゲームで初めてのブレークを奪うも、エンジンがかかるのが遅かった。

 序盤はジョコビッチが積極的に攻める展開だった。生涯グランドスラムに向け、全仏オープンの初優勝を狙うジョコビッチは前週のマドリード・オープンは欠場し、体力を温存。錦織が好調な理由に昨季から師事する元全仏王者マイケル・チャン氏の存在を挙げ「錦織はとても積極的。両手打ちのバックハンドはツアーでもベストのうちの一人だ」と警戒していた。この日は錦織が攻める前にネットプレーなどで仕掛けて、先手を取った。

 錦織も心理戦で揺さぶりをかけた。リターンゲームでは第1サーブと第2サーブで立つ位置を変え、プレッシャーをかけた。「ジョコビッチは今年一番強い選手。誰よりも安定したプレーをする選手なので、なかなか崩していくのは、特にクレーで難しいと思うが、粘って、長いラリー戦を制するように、我慢強くやりたい」と話していたように、長いラリーになっても粘り、ネット際の攻防でも球に食らいついた。しかし、第3セットの第4ゲームでブレークを許し、突き放された。

 14日の3回戦では格下のトロイツキにストロークが安定しない中、要所でネットプレーを決めていたが、世界最強には一歩及ばなかった。マスターズ大会初制覇はまたしてもお預け。それでも強敵から1セットを奪い、意地は示した。24日に開幕する全仏オープンで雪辱の機会をうかがう。

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