みなみ向きの風69 リンクス経験生きた7位浮上「チャンス」

[ 2015年4月5日 05:30 ]

打球の方向を見ながら舌を出す勝

女子ゴルフツアー ヤマハ・レディース葛城第3日

(4月4日 静岡県袋井市 葛城ゴルフ倶楽部山名コース=6568ヤード、パー72)
 28位から出たアマチュアの勝みなみ(16=鹿児島高2年)は5バーディー、2ボギーの69をマークし、通算イーブンパーの216で首位と7打差の7位に浮上した。強風の影響でアンダーパーをマークしたのは67人中8人だけだったが、ショットの好調がスコアに直結した。藤本麻子(24=富士通)が74とスコアを落としたものの、通算7アンダーで首位を守り、完全優勝に王手をかけた。

 多くの選手がスコアを伸ばしあぐねる中、勝はスルスルとリーダーボードを駆け上がった。69はこの日2番目の好スコアで「3日間の中で一番良いスコアだったのでよかった」と笑顔がはじけた。

 3番パー5で残り125ヤードの第3打を1・5メートルにつけてバーディーが先行。その後も好調のショットを軸にチャンスメークし、スコアを3つ伸ばして前半を折り返した。しかし、13番で「セカンドショットがトップしちゃった」とこの日初めてのボギーを叩くと、続く14番もボギー。勝はこれが我慢ならなかった。「悔しくて、絶対に最後を取ってやろうと思った」と最終18番は残り100ヤードの第3打をPWで1メートルにつけてバーディー締め。「ナイスバーディー!」の歓声を心地良さそうに浴びた。

 伸び盛りの16歳。わずか1週間で風への対応を身につけた。前週はニュージーランド・アマチュア選手権に出場。開催コースは生まれて初めて回るリンクス。それでも、「風が強くて大変だったが、思いきり振り切って風に負けない球が打てた」とショットでコースを攻略し、3位で大会を終えた。この日も風速5メートルを超える風にプロが悪戦苦闘する中、「ニュージーランドの方が風が強かったのであまり気にならない。きょうも振り切るショットが打てた」。難コンディションに屈さなかった。

 最近のマイブームはお笑いコンビ「クマムシ」と体操の内村航平もお気に入りのチョコレート菓子、ブラックサンダー。ハウスキャディーの吉本舞さん(24)からもらったというブラックサンダーを食べ、クマムシの「あったかいんだからぁ♪」を口ずさみながらラウンドするなど強心臓は健在だ。首位とは7打差だが、「狙えない位置ではないし、チャンスだと思う」。昨年ツアー最年少優勝を成し遂げ、歴史を変えた。16歳にとっては7打差も奇跡ではないのかもしれない。

続きを表示

2015年4月5日のニュース