片山「横綱」28勝!猛チャージ「65」逆転、杉原輝雄に並んだ

[ 2014年12月1日 05:30 ]

逆転で28度目の優勝を飾り、感無量の表情でトロフィーを抱きしめる片山

男子ゴルフツアー カシオ・ワールドオープン最終日

(11月30日 高知県安芸郡 Kochi黒潮カントリークラブ=7315ヤード、パー72)
 永久シードの貫禄だ。1打差の4位から出た片山晋呉(41=フリー)が、この日のベストスコア65をマークし、通算17アンダーで今季初勝利を挙げた。12番から4連続バーディーなどで1つ後ろの最終組にプレッシャーをかけて逆転。73年のツアー制施行後では杉原輝雄(故人)に並ぶ通算28勝目を飾った。賞金ランク1位の小田孔明(36=フリー)は69で通算9アンダー14位、同2位の藤田寛之(45=葛城GC)は66で通算10アンダーの9位。賞金王争いは最終戦に持ち越しとなった。
【最終R成績】

 千両役者は最後まで魅せ続けた。2位に2打差で迎えた最終18番パー5。片山はピンまで105ヤードの第3打を52度のウエッジでバックスピンをかけ、20センチにぴたりとつけた。勝敗が決まってもさらに見せ場をつくり、バーディーフィニッシュ。永久シードの貫禄をまざまざと見せつける今季初勝利となった。

 「やってる方は必死なんだけど、横綱のような寄り切りじゃないけれど、後半に行きましたね」

 首位に1打差で最終組の1つ前の組だった。8番でバーディーを奪い、首位に並んでターンすると珍しく順位ボードを見た。競っている最終組は未勝利の2人を含む20代3人。「後ろは(自分のプレーが)見えるだろうからたまんないだろうなあ。意識させてしまおう」と12番でスイッチを入れた。12番で3メートル、13番は1メートルにつけバーディー。14番は6メートルをねじ込んでガッツポーズ、15番も6メートルを入れて4連続バーディーで突き放した。

 「負けてる回数は全然違うからね。経験が違うよ」。積み上げた28勝はだてではなかった。

 昨年、5年ぶりの優勝を遂げ心身共に完全復活した。再びのマスターズ出場を夢見て臨んだ今季、まずまずのスタートを切りながら6月の日本プロ選手権の練習日に首痛と腰痛を発症。ヘルニアと診断され、松葉づえをつく生活を余儀なくされた。結局、4試合を欠場。「今季はもう無理だなあ」と半ば諦め、クラブを握れない2カ月半はランや観葉植物を育てるなどして過ごしたという。

 ブランクを乗り越えての40代2勝目。「自信というか余裕を感じさせるよね。体の衰えはあっても、ゴルフ的には衰えたと思ったことがない」。横綱はこれからも、やすやすと金星を配給しない。 

続きを表示

この記事のフォト

2014年12月1日のニュース