松山見えたウッズ超え 第3Rで14アンダー「199」

[ 2014年11月23日 05:30 ]

18番、バーディーフィニッシュでガッツポーズをする松山英樹

男子ゴルフツアー ダンロップ・フェニックス第3日

(11月22日 宮崎県宮崎市 フェニックス・カントリークラブ=7027ヤード、パー71)
 国内ツアー6勝目が目前に迫ってきた。松山英樹(22=LEXUS)は4バーディー、ボギーなしの67をマーク。米ツアーを主戦場とする22歳は多くの選手が手を焼く洋芝にも屈することはなく、通算14アンダーの199で首位をキープした。松山と同組で回ったジョーダン・スピース(21=米国)が2打差の2位につけている。
【第3R成績】

 “世界最強の男”に近づいた。最終18番。松山は右ラフから残り230ヤードの第2打を4Iで花道に置くと、アプローチを手前5メートルに乗せてバーディー締め。14アンダーの199で首位を守り、04年に大会最少ストローク264を記録したウッズを超えるチャンスを得て「(2位と)2打差で終われたことは凄く大きい」と顔をほころばせた。

 米国で磨かれた技術が光った。パーオンを逃した10番はアプローチを2・5メートルに寄せてパーセーブ。「あれが大きかった」と振り返った。ラウンド解説の加瀬秀樹は「アプローチの打ち方が米国的。球が沈む洋芝でもうまくクラブを入れられている。向こう(米ツアー)の選手なんだなと感じた」と舌を巻いた。

 4カ月ぶりの日本ツアーで主役を演じる怪物を一目見ようと最終組には人だかりができた。大歓声を受ける松山の姿を見たスピースは「米国で言えばウッズのような存在だね」と評した。人気だけでなく、最終日に7つ伸ばせばウッズの記録を超える。さらに、22歳8カ月28日での優勝なら77年大会でセベ・バレステロス(スペイン)が樹立した20歳7カ月14日に次ぐ大会2番目の年少記録となる。

 今季、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の規定が改定され、海外ツアーのシード選手と複数年シード保持者は年間5試合の出場義務(従来は3試合と0試合)が課せられた。賞金王の5年シードを持つ松山だが、今季は義務試合数を満たせず来季はシードを失い、推薦による出場しか道はなかった。だが、そんな中、JGTOの山中博史理事は「松山選手が優勝し、年度内にJGTOのメンバー登録を完了すれば、来年と再来年の新たな出場資格が発生します」と明言。勝てば再びツアーメンバーとなることが可能。ファンの期待が膨らむ最終日となった。

 米ツアーで優勝した日本選手が同年に日本ツアーで優勝した例はない。「ホストプロとして一番結果を出したい大会。勝ちたいという気持ちが強い」。史上初のルーキー賞金王に輝くなど数々の記録を打ち立ててきた男に不可能はない。

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2014年11月23日のニュース