逸ノ城 凄すぎ“W最速”デビュー5場所目で大関撃破&2桁○

[ 2014年9月25日 05:30 ]

<大相撲秋場所11日目>番傘をさして引き上げる逸ノ城

大相撲秋場所11日目

(9月24日 東京・両国国技館)
 新入幕の逸ノ城が大関初挑戦で稀勢の里をはたき込んで1敗を守った。2度の“待った”で作戦変更し、左変化から決めた。初土俵から5場所目での大関撃破は史上最速。12日目は新大関の豪栄道に挑むが、すっかり秋場所の“中心人物”となり、横綱挑戦の可能性も出てきた。横綱・白鵬は全勝を守り、横綱・鶴竜は逸ノ城とともに1敗で追走している。
【11日目取組結果】

 満員の館内がため息に包まれた。“怪物”と“かつての和製ホープ”。力と力のぶつかり合いが期待された一番で、逸ノ城は左に動いた。右腕を巻き付けるように頭を押さえると、稀勢の里は両手をついた。

 新入幕の大関撃破は00年夏場所で千代大海、貴ノ浪の2人を破った栃乃花以来14年ぶり。変化での勝利だけに「本当はよくない」と話したが、作戦を切り替えたのは大関の2度の“待った”があったからだった。「考えを変えた。左に変わって、決まらなくても左上手を取ってすぐ攻めようと思った」と新入幕らしからぬ落ち着きぶりだ。北の湖理事長(元横綱)は「内容は残念だが、極端に変わったわけではない。頭を押さえただけ。稀勢の里は足が出ていない」との見解を示した上で「物おじしない。2桁勝って場所を盛り上げている。立派だ」と評価した。

 1メートル92、199キロの破格のサイズに武骨な風貌もあり、強心臓のイメージが定着しつつあるが、本人は胸を指して「中はドキドキしてます」と主張する。この日は特に平常心でいられない材料があった。東の控えで横綱・白鵬が見守っていた。「全部が憧れ」と尊敬する理想の力士。場所入り後に支度部屋で「頑張れ」と励まされた。自分が勝てば出番が次の横綱に力水をつけられる。是が非でも勝ちたかった。

 12日目は豪栄道との大関2連戦だが、13日目に横綱・鶴竜と対戦する可能性が浮上してきた。伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)は「(割を崩す)雰囲気もある。あす(25日)話し合って決める」と説明。新入幕で横綱挑戦となれば07年秋場所の豪栄道以来となる。今場所の主役の座を奪った怪物は「(2桁勝利は)うれしい。まだ終わりじゃない。頑張ります」と誓った。

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