遼 突然の覚醒!米自己ベスト62、一気V争い2差7位浮上

[ 2014年8月17日 05:30 ]

ウィンダム選手権第2ラウンド、16番でティーショットを放つ石川遼。通算8アンダーで7位に急浮上した

USPGAツアー ウィンダム選手権第2日

(8月15日 米ノースカロライナ州グリーンズボロ セッジフィールドCC=7130ヤード、パー70)
 超攻撃型の石川遼(22=CASIO)がビッグスコアを叩き出した。73位から出て、9バーディー、1ボギーのベストスコア62をマークし、通算8アンダーの132で、首位と2打差の7位に急浮上した。米ツアー自己最少スコアも更新し、初優勝へ突き進む。10アンダーのヒース・スローカム(40)とスコット・ラングリー(25=ともに米国)が首位。49位から出た松山英樹(22=LEXUS)は70と伸ばせず1アンダーの79位。4オーバーで133位の今田竜二(37=フリー)とともに予選落ちした。

 スコア提出場から出て来ると、待ち構えていた地元のファンがロープ越しに声を掛けた。「リオ、リオ!サイン、プリ~ズ」。顔を上げた石川の目の前には、20人ほどのギャラリーが笑顔で待っていた。「グレート、スコア」という絶賛の嵐に「サンキュー」と答えると、22歳の頬は最後まで緩みっぱなしだった。

 米ツアー4戦ぶりの予選通過を派手に決めた。09年のブリヂストン招待3日目にマークした64の米ツアー自己ベストを更新する8アンダーの62と大爆発。73位から7位に急浮上して首位と2打差に迫り「自分でもビックリ。今季のベストラウンド。最後の方はバーディーが来すぎて、いくつで回ってるのか分からなかった」とまくし立てた。

 ビッグスコアはボギーから始まった。1番で2メートルのパーパットを外し「予選落ちかな」と気を落とした。それでも「1Wでアドバンテージを取る」というテーマは「諦めずに続けていこう」と決めた。米ツアーは7400ヤード前後のコースが主流だが、この大会は7127ヤード。その分、両サイドにOBがあり、第1打を刻む選手も多いが、ティーグラウンドから280ヤード地点に川が流れる6番以外は全て1Wを持ち、リスクを背負う作戦はぶれなかった。17番は311ヤードもかっ飛ばし、残り96ヤードの2打目をSWで2メートルにピタリ。「あのバーディーは凄く良かった」。目指すゴルフが凝縮されたホールだった。

 2度の運も生かした。4番は1Wを左へ引っ掛け、自ら「ファー!!!」と危険を知らせる声を出した。ところが木に当たってフェアウエーに戻り、PWで4メートルにつけてバーディー。9番でも1Wが右へ飛んだが、カート道でバウンド。そのまま右へ転がれば木が邪魔でグリーンを狙えなかったが、観客に当たって左へ転がりAWで2メートルに寄せてバーディーを奪った。

 米ツアー本格参戦の13年以降、1桁順位での予選突破は初めて。声は弾みテンションも上がる。「凄く楽しみ。(上位争いは)久しぶりの感覚だけど、どんな感じだったっけ?」と笑った。そして、自信を確信に変えたラウンドを終え「同じゴルフができれば優勝する可能性もある」と言い切った。

続きを表示

この記事のフォト

2014年8月17日のニュース