10秒01高校生、桐生に375万円!陸連が“高速”強化費

[ 2013年5月2日 06:00 ]

陸連のシルバー指定に入ったことが判明した桐生

 短距離界のワンダーボーイが、金銭サポートをゲットした。4月29日の織田記念国際・男子100メートルでジュニア世界タイ、日本歴代2位の10秒01をマークした桐生祥秀(よしひで、17=京都・洛南高3年)に、日本陸連から今年度の強化費が最大で375万円支給されることが1日、分かった。日本陸連は今年度から強化指定選手を「ゴールド」と「シルバー」の2段階に分け、強化指定標準記録を設定。桐生は10秒01で「シルバー」の基準をクリアした。

 衝撃のレースが、思わぬ副産物を生んだ。日本陸連は今年度から強化指定を見直し、4段階だった格付けを強化費の重点配分のため、年間1000万円を限度に支給する「ゴールド」と同500万円の「シルバー」の2つに絞った。「ゴールド」は男子ハンマー投げの室伏広治だけ。強化指定に必要な標準記録が設けられており、桐生の10秒01は「シルバー」の10秒01をクリアした。今年度がスタートした4月29日に「シルバー」となった17歳は、75%の375万円(9カ月分に相当)が上限となる。

 標準記録はメダル水準を想定しており、男子100メートルの「ゴールド」タイムは何と9秒85だ。日本陸連の原田強化委員長は「シルバーとはいえ、まさか高校生がタイムをクリアすると思わなかった」と驚きの表情を浮かべた。375万円は高校3年生にとっては大金。強化費は選手や専任コーチらを対象に支給される。洛南高は2月に陸上部顧問の部員への体罰が発覚し、同顧問は指導停止中。短距離コーチ不在の状況のため、今後の強化計画、強化費の利用方法などについて原田強化委員長が洛南高、桐生の両親と話し合う予定だ。

 桐生の次戦は5日のゴールデングランプリ東京(国立競技場)。9秒85の自己ベストを持つマイケル・ロジャーズ(28=米国)を筆頭に9秒台のスプリンターが3人参戦する。「世界ジュニアタイ記録に満足していたら、すぐに負けてしまう。自分の走りを追求していきたい。9秒台は(日本人で)最初に出したい」と気合十分。日本陸上界の悲願の9秒台へ。ワンダーボーイがさらに加速する。

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2013年5月2日のニュース