“雪や困困”稀勢、琴欧洲土俵入りギリギリセーフ

[ 2013年1月15日 06:00 ]

一面の銀景色に包まれた両国国技館

大相撲初場所2日目

(1月14日 両国国技館)
 大雪による首都圏の交通の乱れが、上位陣にも影響を及ぼした。千葉県松戸市内に部屋のある大関・琴欧洲(29=佐渡ケ嶽部屋)、大関・稀勢の里(26=鳴戸部屋)は渋滞のため車で移動できず、JRや地下鉄を乗り継いでの場所入り。辛うじて午後3時45分の土俵入りに間に合った。落ち着きを取り戻した土俵では両大関とも白星を挙げた。大関復帰を目指す関脇・把瑠都(28=尾上部屋)は大関・琴奨菊(28=佐渡ケ嶽部屋)に敗れて土がついた。

 白星を連想させるとして、相撲界で「雪」は吉兆とされているが、「大雪」となると話は違った。午後から積もった雪に上位陣がてんてこ舞いとなった。

 大関以上は車での場所入りが許されているが、稀勢の里は「車が坂で滑ったので」電車を利用した。松戸市内の部屋からJRの最寄りの馬橋駅まで約10分歩いてから常磐線の電車に乗車。都内に入ってから下車してタクシーに乗り込み、なんとか午後3時すぎに到着した。「午後2時に出たけど、間に合ってよかった。雪のときの歩き方が分からなかった」。取組前に一汗かいたことに苦笑いを浮かべた。

 琴欧洲も車が使えず早めに松戸市内の部屋を出発したが、こちらは足止めを食らった。正午すぎに出て北総線の松飛台から電車に乗り、金町でJRに乗り換えて北千住に。そこから秋葉原まで出たが、総武線が止まっており、両国の2駅前で“待った”となった。30分たっても復旧せず、「土俵入りに間に合わない」と佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)に電話したところ、ようやく電車が動きだした。「来るのに3時間もかかってしまった。帰りは電車動いてるの?」。取組後は連敗中だった松鳳山を破ったことより、帰りの交通手段を心配していた。

 琴欧洲に敗れた松鳳山も“被害者”の一人だった。両国の隣駅の錦糸町で降りたが、なかなかタクシーが拾えなかった。約2・5キロを「歩いて行こうと思った」というが、その姿を見かけた場外馬券売り場の警備員に車を拾ってもらった。「助かりましたよ」。新三役で連敗発進となったが、周囲の温かさに感謝していた。

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