有村“勇気の1打罰”で堅首!メジャー初V見えた!

[ 2012年9月9日 06:00 ]

18番、バーディーパットを決め、ガッツポーズを見せる有村

女子ゴルフツアー 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯第3日

(9月8日 滋賀県甲賀市 タラオカントリークラブ=6670ヤード、パー72)
 有村智恵(24=日本ヒューレット・パッカード)が4バーディー、1ボギーの69で通算13アンダーとし、メジャー初Vに王手をかけた。16番でトラブルに見舞われたが、小田亨キャディー(37)の一声で強引な攻めを回避。ボギーにとどめ、17、18番の連続バーディーにつなげた。初日から3日間の合計203ストロークは大会新で、国内メジャータイ記録。71で回った吉田弓美子(25=イーグルポイントゴルフクラブ)が3打差の2位につけた。
【第3R成績】

 また一歩、近づいた。悲願のメジャー制覇、4日間競技Vへ。有村が力強く王手をかけた。69で回り「この難しいセッティングで毎日60台。良い形で終わらせたいです」と最終日に向けて抱負を語った。

 スコアの上では盤石だが、紙一重の場面もあった。2位に3打差をつけて迎えた16番パー5。第3打がグリーン前の斜面に戻され、ウオーターハザード区域内の石の前で止まった。ここで悩んだ。そのまま打つか、1打罰を払うか。石とボールとの間には、わずかな隙間があったため、「打ちたい」と前のめりになりかけた。だが、小田キャディーが制した。「試合を壊すことだけはやめようよ」と。

 先週のゴルフ5レディースの2日目。有村は2位に3打差の首位で18番を迎えた。しかし、悪いライからの強引な狙いが裏目に出てダブルボギーを叩いた。翌日、アン・ソンジュに逆転負け。無理な攻めがそのまま優勝者との2打差になり3位に沈んだ。先週は男子ツアーで担いでいた小田キャディーは、その場面を忘れていなかった。だから止めた。有村は温厚な人柄のパートナーの気迫に押された。

 「普段は判断を任せてもらっている。そこまで止められることはなかったので、これは悪い方向に行くのだろうな」。1打罰の後、20ヤードのアプローチをしっかり寄せてボギー。吉田のバーディーで1打差に迫られたが、17番で2メートル、18番は13メートルをねじ込むバーディーで3打差をつけた。

 初日から54ホールで203は大会最少ストロークで、国内メジャータイ記録。だが「4日間が終わって、その記録を破れたら」と途中経過に興味を見せなかった。メジャー最少ストローク優勝は274。有村が記録的Vへ突き進む。

 ≪54ホール大会最少ストローク≫有村は初日からの3日間合計が203。これは、07年飯島茜ら3人がマークしている206を3打更新する初日からの54ホール大会最少ストローク。国内メジャーでも、07年ツアー選手権の不動裕理の203に並ぶタイ記録。(3日間競技を除く)

 ≪国内メジャー記録は274ストローク≫今大会の72ホール最少ストローク優勝は07年飯島茜の274ストローク。これは国内メジャー記録でもあり、飯島のほかに99年明治乳業カップで李英美が同じく274ストロークを記録している。

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2012年9月9日のニュース