日馬富士、勝負の綱獲り場所前に“難敵”出た~

[ 2012年9月9日 06:00 ]

ファンの声援に握手して応える日馬富士

 大相撲秋場所は9日に東京・両国国技館で初日を迎える。先場所に全勝優勝を果たし、3度目の綱獲りに挑む大関・日馬富士(28=伊勢ケ浜部屋)は8日、三役以上の力士らとともに土俵祭りに参加したが、神聖な場に突然「大嫌い」なゴキブリが出現。三度目の正直となる勝負の綱獲り場所を前に、思わぬ“難敵”と戦うことになってしまった。

 綱獲りの成就と15日間の安全を祈願するはずの土俵祭りに最も恐れる敵が現れた。土俵だまりに設置された椅子に座っていた日馬富士の足元に、黒光りする物体が不気味に接近。国技館には猫が生活しているという都市伝説もあるが、正体は何とGKB(ゴキブリ)。「怖かった。大嫌いだから…」。居合わせた白鵬は「(ゴキブリは)食べられるからね」とジョーク交じりに振り返ったが、3度目の綱獲りに挑む大関は焦って思わずせき払いで、恐怖心を打ち消すしかなかった。

 不吉なハプニングは起こってしまったが、土俵祭り終了後には「全勝を続け、一番一番集中する。楽しみでワクワクしてます」と“2場所連続全勝”での昇進を宣言。30連勝での横綱昇進は94年の貴乃花だけ。あえて「全勝」という言葉を使い、自らを奮い立たせた。

 この日の夕方には先場所も毎日のように通った名古屋市内にある「熊本接骨院」の東誠之院長(66)を都内の自宅に呼び寄せるなど準備は万端。初日の碧山戦を前に、北の湖理事長(元横綱)は「新三役で乗っている相手にどういう相撲を取るか。非常に大事で、内容を問われる」と指摘したが、ゴキブリに心を乱された大関の運命やいかに…。

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2012年9月9日のニュース