真央 3回転半解禁!回転不足もSP首位

[ 2012年2月12日 06:00 ]

女子SPの演技を終えて笑顔を見せる、首位に立った浅田真央

フィギュアスケート四大陸選手権第2日

(2月10日 米コロラド州コロラドスプリングズ)
 ついに大技を解禁した。女子ショートプログラム(SP)で浅田真央(21=中京大)が、64・25点で首位発進。昨年11月のNHK杯のSPを最後に封印していたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑戦。回転不足の判定だったが、11日(日本時間12日)に行われるフリーでの成功に意欲を燃やした。アシュリー・ワグナー(20=米国)が64・07点で2位、村上佳菜子(17=中京大中京高)は63・45点で3位につけた。

 チャレンジへの強い決意を新しい衣装に込めた。これまでSPは群青色のパンツスタイルで演じてきたが、今大会は水色のスカートタイプに替えた。浅田自ら「トリプルアクセル・バージョン」と名付けた勝負服に身を包み演技冒頭、思い切って踏み切った。久々のトリプルアクセルは、両足着氷で回転不足の判定。「あれが跳べたら満足すると思う」と振り返ったが、演技後には柔らかな笑みを浮かべていた。

 トリプルアクセルにトライしたのは昨年11月のNHK杯のSP以来だった。同11月のロシア杯、最愛の母・匡子(きょうこ)さん(享年48)の死を乗り越えてリンクに立った同12月の全日本選手権と2大会連続で大技を回避した。

 ただ、全日本選手権の公式練習では何度も成功させており、「試合をやるごとに自分のトリプルアクセルが戻ってきている」と手応えを感じていた。年明けから入念にトレーニングを重ね、ついに封印を解いた。佐藤コーチも「だいぶ(完成に)近づいてきたかなと思う」と手応え十分だ。

 標高約1800メートルという不慣れな高地のリンクも、問題なかった。酸素が薄く体力的に厳しい環境だったが、「ビックリするくらい余裕があった」と言う。気圧が低くジャンプが跳びやすいという利点については、「2倍になって跳べた」と独特の表現で振り返った。

 3―2回転のコンビネーション、3回転ループを着実に決めると、3度のスピンとステップで全て最高評価のレベル4を獲得。「トリプルアクセル以外の出来は良かった」。表現力評価の5項目の演技点は全体トップの高得点だった。

 2位・ワグナー、3位・村上と僅差で迎える11日(日本時間12日)のフリー。もちろん、トリプルアクセルにも挑戦するつもりだ。SPは失敗したが、クリーンに決めれば、昨年の四大陸選手権フリー以来、1年ぶり。「きょう(SP)の成功と失敗を生かせるようにしたい。まだまだ上はある」。ジャンプに頼らない総合力を磨いてきた今季。無敵のスケーターになるために、完璧な大技を手に入れる。

 ◆女子フリー滑走順 最終組で浅田は23番、村上は22番となった。SP上位24人で争われ、今井は1つ前の3組で13番目。

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