千代大龍が新十両史上6人目の8連勝 過去全員優勝

[ 2012年1月16日 06:00 ]

武州山(右)をはたき込む千代大龍

大相撲初場所8日目

(1月15日 両国国技館)
 元学生横綱の同学年2人がプロの土俵で火花を散らす。十両の千代大龍は武州山をはたき込み、新十両で史上6人目となる無傷の8連勝とした。また、東幕下15枚目の佐久間山が4連勝で勝ち越しを決め、デビュー25連勝とした。幕内は横綱・白鵬が平幕・高安をはたき込み、大関・把瑠都は北太樹を上手投げで下し、ともに全勝をキープした。

 ストレート給金を決めた千代大龍は神妙な面持ちで花道を引き揚げた。この日の武州山戦を含めて8勝中5勝がはたき込み。引き技を多用する相撲を師匠の九重親方(元横綱・千代の富士)に何度も注意されている。「また怒られます」と迫力満点の叱責(しっせき)を思い浮かべて首をすくめた。

 どうしても勝ちたかった。学生相撲で激しくぶつかり合った佐久間山がこの日の取組で25連勝。「あいつはどんな体勢からでも勝ちにこだわって相撲を取る。負けられない」と刺激された。

 明月院の本名で昨年5月の技量審査場所で幕下15枚目格付け出しでデビューしたが「右下腿蜂窩(ほうか)織炎」で1勝もできず5日目から休場。東幕下46枚目まで落ちた名古屋場所は「新弟子の気持ちになって」稽古に励んだ。足踏みをした自分とは違い、序ノ口デビューのライバルは連勝街道をまっしぐら。プロでのスタート地点が大きく違うだけに出世で後れを取るわけにはいかない。

 師匠に課された毎日500回のしこで下半身強化。九州場所で十両昇進を決め、掃除など部屋の仕事を免除されると、空き時間には筋トレで汗を流した。体重は学生時代のベスト155キロを超えて現在160キロ。それでも「全然、重く感じない」と鍛錬の成果である筋肉増量を実感。今場所好調の要因となっている。

 新十両で無傷の8連勝とした過去5人は全て優勝を飾っている。「勝ち越して(気分的に)楽になるんで、いい相撲を取りたい」。内容でもライバルに負けない相撲を誓った。

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2012年1月16日のニュース