“遼の後輩”伊藤誠道、アマ初快挙!首位で予選突破

[ 2011年9月17日 06:00 ]

9番、第3打を放ちボールの行方を見つめる伊藤誠道

ANAオープン第2日

(9月16日 北海道・札幌GC輪厚コース=7063ヤード、パー72)
 アマチュアの伊藤誠道(16=東京・杉並学院高1年)がプロ顔負けのプレーで単独首位に立った。ボギーなしの6バーディーでツアー自己ベストの66。2日連続のノーボギーで通算9アンダーまでスコアを伸ばした。アマチュアとして予選ラウンドを首位で突破したのは99年のツアー機構発足後初の快挙。ツアー歴代2位の年少優勝を目指して残る36ホールに挑む。17日が20歳の誕生日となる石川遼(パナソニック)は74とスコアを落とし、通算4オーバーの99位で予選落ちとなった。
【第2R成績】

 全選手がホールアウトすると場内に放送が流れた。「ツアープレーヤー70名とアマチュア1名。71名の予選通過が決定いたしました」。その唯一のアマチュアが、プロを抑えてトップにいた。しかも難コースの輪厚で2日間ノーボギー。負けん気の強そうな16歳が見せた驚きの快進撃だった。

 「自分でもびっくりです。よく頑張ったなと満足してます」。飛ばし屋ではない伊藤だが、安定したティーショットでコースを攻略した。夏から使い始めた365CCの超小ぶりヘッドの1Wを巧みに操り、この日フェアウエーを外したのは2ホールだけ。不慣れな北海道の洋芝につかまると、今度は非凡な対応力で切り抜けた。残り166ヤードから1メートルにぴたりとつけた前半の13番パー4。「朝露(が芝についているの)で飛距離が出ないと思った。一瞬の判断でビカッ!ときた」と7Iから6Iに持ち替えてバーディーにつなげた。

 昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズでは自己最高の10位。「それ以上を求めて焦ってしまった」と春先に出場したツアーは2戦とも予選落ちだった。しかし「ツアーは自分の勉強の場」と初心を取り戻し、今大会は練習日にさまざまなプロとラウンドした。そこで吸収した洋芝からの打ち方やコースマネジメントが首位での予選通過を後押しした。

 整ったのは心だけでなく「中年のメタボのおっさんみたいだった」というおなかも同じだ。今季開幕前は「正月の3日間だけで4キロ太った」と体重は75キロまで増えた。今春から晴れて高校生となったものの、2月に制服の採寸をした時にはウエストが何と90センチもあった。「1人だけボンタンみたいになっちゃった」と頭をかきつつ、今は走り込みやトレーニングの成果で68キロまで絞って「ぶかぶかのズボンを買い替えないといけない」と苦笑いした。

 高校の先輩でもある石川に次ぐ、ツアー歴代2位の年少優勝が懸かる決勝ラウンド。「実感がないけど、背伸びせずに自分らしい身の丈にあったゴルフをしたい」。あえなく予選落ちとなった石川は「年齢もプロやアマも関係ない。アマチュアだと気にせず主役になってほしい」と後輩にエールを残した。

 今月末にはマスターズの出場権を懸けたアジアアマ選手権(29日開幕、シンガポール)も控えており、弾みをつける意味でも今大会のプレーは重要な意味をもつ。石川遼は20代へと旅立った。代わって“10代代表”の看板を背負っていくのは伊藤誠道かもしれない。

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