貴乃花親方示唆 “圏外”稀勢も大関獲り挑戦!

[ 2011年9月10日 06:00 ]

秋場所初日に向け鳴門部屋で日馬富士(右)と稽古に励む稀勢の里

大相撲秋場所

(両国国技館)
 日本相撲協会は9日、両国国技館で秋場所(11日初日・両国国技館)の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。今場所は大関・日馬富士(27)の綱獲り、関脇の鶴竜(26)と琴奨菊(27)の大関獲りが懸かる場所と位置づけられていたが、貴乃花審判部長(元横綱=スポニチ本紙評論家)は関脇・稀勢の里(25)にも大関獲りのチャンスがあることを明言。4人の昇進が懸かる異例の場所の様相を呈してきた。

 取組編成会議後、貴乃花審判部長は秋場所の展望について言及。綱獲りが懸かる日馬富士には「綱獲りとは考えずにやった方がいい」とアドバイスを送り、大関獲りが懸かると既に明言してきた関脇2人に対しては「琴奨菊は上り調子で実力がある。鶴竜は動きがいい。2人が千秋楽で優勝決定戦という夢を見ても面白い」と奮闘を期待した。だが、次の瞬間、自らもう一人の関脇・稀勢の里の話題に触れ「審判部の親方にもいろんな意見がありますが、好成績であれば当然名前は挙がる」と大関昇進の可能性が残されていることを示唆した。

 ここにきて突如、名前が浮上した稀勢の里は先々場所に8勝、先場所は10勝をマーク。今場所で大関昇進の目安となる“三役3場所33勝”に到達するためには15戦全勝しなければならない。だが、貴乃花親方は「その時になってみないと分からないが、相撲内容による。1敗、2敗したときの負け方とか、負けた相手が上位であるか下位であるかなど」と32勝以下でも昇進の可能性があることも指摘。平成以降に3場所32勝以下で昇進したのは99年初場所で優勝を飾り、計32勝で昇進を決めた千代大海のみ。稀勢の里が今場所で一気に大関昇進を決めるには、少なくとも14勝以上での優勝が条件となりそうだ。

 この日、稀勢の里は鳴戸部屋に出稽古に来た日馬富士らと36番の申し合いを行うなど、11日の初日に向けてラストスパート。奇跡の大関昇進に向けては「(可能性は)ゼロじゃない。全力で当たって、初日の相撲に集中したい」と全身全霊をささげることを誓った。

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2011年9月10日のニュース