畠山 仏戦必勝!“一丸”スクラムで歴史作る

[ 2011年9月10日 06:00 ]

W杯初戦のフランス戦を控え、リラックスした表情を見せる菊谷主将(左端)、畠山(左から2人目)らラグビー日本代表

ラグビーW杯1次リーグA組 日本―フランス

(9月10日)
 世界ランク13位のラグビー日本代表は10日に、W杯初戦で同4位のフランス代表とニュージーランド北島ノースショアのノースハーバー競技場(日本時間15時開始)で対戦する。チームは決戦前日の9日、試合会場で約1時間半の最終調整を行った。東日本大震災の津波で宮城県気仙沼市の実家が流されたPR畠山健介(26=サントリー)は、スクラム世界最強のフランスにFW8人で立ち向かうことを誓った。また、大会は9日に開幕し、開催国ニュージーランドがトンガを41―10で破り、白星発進した。
【1次リーグA組 2011ラグビーW杯特集(動画あり)】

 未曽有の被害をもたらした東日本大震災から、11日でちょうど6カ月。10日のW杯初戦を前に、畠山は懸ける思いを口にした。「僕はラグビーを頑張るしかない。歴史に残るような戦いをして、その結果を日本のファン、地元の人に届けられれば最高だと思っている」。気仙沼市内のアパートで暮らしている両親と姉をはじめ、復興に向けて奮闘している被災者に向けて力強い決意を示した。

 その上で「あした(10日)は雨の予報でバックスの(ノックオンなど)ミスが増える。スクラムをたくさん組むと思うので楽しみです」と腕をぶした。もちろん、フランスのスクラムは世界一との呼び声が高いことは承知している。しかも、その相手は航空宇宙事業などを手がけるフランスのタレス社が開発したクモに似た6脚構造の最先端スクラム・シミュレーターを導入。上下左右前後の動きに対応し、相手の癖や重量のデータを入力して実戦に近い練習でさらに鍛えてきたという。

 畠山の対面は世界最強の左PRバルセラだ。それでも「FW8人が一丸となって対抗したい」と臆するところはない。先月下旬には03年W杯でフランスと対戦した元日本代表PRでサントリーのコーチも務めた長谷川慎氏(現ヤマハ発動機コーチ)から助言をもらった。「フランスのFWは後ろ5人が特に重たい。最前列3人の戦いよりもFW全員で対抗した方がいい」。8人でスクラムを組む意識がより強まった。

 8月13日の国際親善試合イタリア戦でFW第3列がボールアウトなどを気にするあまり、スクラムのバインド(組み方)が弱くなった。スクラムは両チームの攻防がバックスへの展開にもつながるだけに重要な局面。最前線の畠山は「練習中から僕がしゃべり続けることで8人で組む意識を強めてきた」という。会場のノースハーバー競技場は昨年6月にノースハーバー州代表と強化試合を行って体験済み。「芝が若干短くなってスクラムは組みやすいですね。第1スクラムでどこまでやれるか8人で確認したい」。個人よりも団結力で勝負。それが、震災からの復興に力を合わせる日本全体へのメッセージでもある。

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2011年9月10日のニュース