大関昇進確実!把瑠都“自画自賛”の12勝目

[ 2010年3月27日 06:00 ]

突き倒しで雅山を圧倒した把瑠都(左)

 【大相撲春場所13日目】把瑠都の大関昇進が確実になった。好調の雅山をもろ手突きで圧倒して12勝目。ここ3場所の合計勝利数を大関獲りの目安とされる33勝に伸ばした。打ち出し後には友綱審判部長(元関脇・魁輝)が「今のところ障害はない。12勝で物足りないということはない」と太鼓判を押した。

 大関獲りへ、十分過ぎるアピールとなった。把瑠都は長い両腕を生かした強烈な突きで雅山を圧倒。最後に繰り出した“ひと突き”で180キロの元大関が尻から崩れ落ちた。土俵上で思わず舌をぺろりと出したエストニアの怪人は、インパクトを残す相撲内容に「今場所は突き放しに自信を持っている。いい相撲を取った」と自画自賛した。
 打ち出し後には友綱審判部長が「今のところ障害はない。確実にするにはあと1つ2つあるに越したことはないが、12勝で物足りないということはない」と大関昇進に太鼓判を押した。場所前は13勝が昇進の条件となるとの見解を示していた。だが「それは個人的な意見。あした(14日目)にも審判部の中で昇進の話が出てくるでしょう」と大関昇進を協議するために審判部で話し合う意向も明らかにした。武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)も「大関の力がある」と絶賛。昇進することは確実となった。
 「奥さんのいい言葉で気持ちが変わった」。11日目に白鵬に完敗した夜、食事をともにしたエレナ夫人からは「大丈夫、大丈夫。あしたから」と声を掛けられた。昨年結婚したロシア出身の妻は、把瑠都が出稽古する際には運転手を務め、部屋のパーティーにも必ず着物で参加。夫が人生をささげた角界に敬意を払い、その文化に親しむ努力を惜しまない。部屋の関係者によると一緒に過ごせない夜は必ず電話を入れている。把瑠都自身は「まだ若いから電話ぐらいするよ!」と照れるが、パートナーの存在が好調の要因となっているのは間違いない。
 優勝争いは無敗を守った白鵬との一騎打ち。「あと2勝?そういう気持ちで支度部屋には来ますよ。はい、しょ~ゆ~こと」。冗談を言って支度部屋を後にした25歳。初の賜杯獲得ももくろんでいる。

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2010年3月27日のニュース