貴派“7人の侍”「負けるわけにはいかない」

[ 2010年1月25日 06:00 ]

貴乃花部屋打ち上げパーティーで報道陣に囲まれる貴乃花親方

 2月1日に行われる日本相撲協会の理事選挙に立候補を表明している貴乃花親方(元横綱)が24日、後援会関係者の前で出馬への決意をあらためて示した。初場所千秋楽後に東京都内のホテルで行われた貴乃花部屋打ち上げパーティーの席上で「6人のために負けるわけにはいかない。勝負します」と宣言。間垣親方(元横綱・2代目若乃花)ら支持する6人の親方との結束力の強さを強調した。

 貴乃花親方が選挙戦への決意を口にした。約200人が出席した初場所打ち上げパーティー。壇上の貴乃花親方は「立候補についてご説明させていただきます」とノートに記した“決起文”を読み上げた。
 決意表明は約3分間にも及び、最後には「歴史に相撲道がある限り、文化のあり方を問おうという気持ちになりました。富士の山の頂を目指して真の侍が結集しました。6人の侍は私に命を預けてくれました。彼らのために負けるわけにはいきません。勝負します」と、熱い口調で締めた。その瞬間、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。
 貴乃花親方は8日に二所ノ関一門からの離脱を表明。それに追随した6人の親方に貴乃花親方は最大級の敬意を払った。部屋持ち親方4人は各部屋のパーティーがあるため出席しなかったが、「間垣親方は黒澤明監督。“ことを起こすなら地下から掘り起こせ”と言われました」とまずは重鎮を紹介。続いて阿武松親方(元関脇・益荒雄)、大嶽親方(元関脇・貴闘力)、二子山親方(元十両・大竜)を紹介。さらにパーティーに出席していた貴乃花部屋所属の常盤山親方(元小結・隆三杉)、音羽山親方(元大関・貴ノ浪)にも壇上から感謝の言葉を送った。
 貴乃花親方の熱い思いに出席者の民主党・石井一参院議員は「あれだけの功績を残した横綱が理事選に立つというだけで、もの凄い抵抗を受けている。それが相撲界の閉鎖性を象徴している。ぜひ貴乃花親方には理事になってもらって相撲界のそういう体質を変えてほしい」とエール。中締めのあいさつで、音羽山親方が「私は先代(故人、元大関・貴ノ花)と約束しました。貴乃花親方を守り抜きます」と涙ながらに語ると、場内の雰囲気は再び最高潮に達した。15日間の健闘をねぎらう打ち上げパーティーは、選挙戦への「決起集会」に様変わりした。
 パーティー終了後、報道陣の囲み取材に応じた貴乃花親方は「7人の結束を固めて取り組んでいこうと思います」と話し「厳しい戦いになることは間違いないと思います」と見通しを語った。当確ラインは11票だが、現時点で7票しか確保していない。しかし、他の一門には負けない絆(きずな)で、選挙戦を戦い抜く覚悟だ。

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2010年1月25日のニュース