気合注入も忘れ…朝青龍“しまった”白鵬に7連敗締め

[ 2010年1月25日 06:00 ]

<初場所千秋楽>白鵬とともに土俵下に転落する朝青龍

 【初場所千秋楽】何とも締まらない幕切れだ。一度突っかけて2度目の立ち合い。朝青龍は左に動き、狙い通り左上手を奪った。しかし、そのかいなく土俵際に押し込まれる。投げを打ってこらえたものの、最後は無残に寄り倒された。

 「飛んでいった(変化した)のは初めて。差していこうと思ったけど駄目だった」。九重親方(元横綱・千代の富士)が「今日勝って初めて、朝青龍が今場所の覇者ということだろう」と重要性を説いた勝負。一方的に敗れ2場所ぶりの優勝に花を添えられなかった。
 前夜は酒も控えめにして床に就いた。しかし、14日目で優勝を決めてしまった安心感が、勝利への意欲を薄れさせた。「勝ちたかったけど、先に優勝を決めたから気持ちが乗らなかった。こんな経験は初めて」。恒例のまわしを叩く気合注入ポーズも忘れてしまうほどだった。戦う前から勝負の行方は見えていた。
 これで白鵬には本割で7連敗。横綱同士の対戦では、1938年春場所から42年春場所にかけて男女ノ川が双葉山に喫した7連敗に並ぶワースト記録となった。
 そして暴れん坊横綱には、美酒に浸る暇はない。16日未明に都内の飲食店で泥酔状態となりマネジャーの一宮章広氏を小突き、パトカー2台が駆け付けるなどの騒ぎを起こした。その件で、25日に師匠の高砂親方(元大関・朝潮)とともに、武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)から厳重注意を受ける。
 「千秋楽に(白鵬に)勝ちたいという目標ができた」。朝青龍は打倒・白鵬にあらためて闘志を見せたが、土俵内外でまだまだいばらの道が続きそうだ。

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2010年1月25日のニュース