欧州本気モード!アジアのエース遼くん“包囲網”

[ 2010年1月7日 06:00 ]

練習ラウンド1番ホール、ティーショット後、仏塔の階段を上ろうとして声をかけられ苦笑する石川遼

 8日に開幕する男子ゴルフのアジアと欧州の団体対抗戦「ザ・ロイヤル・トロフィー」の公式会見が6日、バンコク市内のホテルで行われ、アジアチームのエースとして期待される石川遼(18=パナソニック)が英語で連覇を誓った。一方の欧州チームは世界ランク7位のヘンリク・ステンソン(33=スウェーデン)らトップ選手を選抜し“石川包囲網”を敷いた。

 18歳にして、エースの風格を漂わせていた。公式会見では注目度の高さを示すように、石川だけが唯一、外国人記者から2度の質問を受けた。
 「日本の賞金王になって、帰ってきたこの大会で、責任はどう感じているか?」との問いには「I will do my best for the team,try to win. I hope to win(チームのためにベストを尽くして、勝ちたい。僕は勝ちたい)」と初めて英語での質疑応答にもトライした。「未知の世界ではないし、落ち着いてできるんじゃないかな」。迷いも不安も一切ない。自信だけが体からあふれ出ていた。
 メディアだけでなく、欧州チームにとって、もはや石川は無視できない存在だ。3度目の開催となった昨年、初めてアジア代表に負けただけに連敗は許されない中、主将のモンゴメリーが「メンバーを選ぶ時は去年の優勝者から選んだよ。僕以外の7人は過去12カ月に優勝している」と強力布陣を整えた。
 1年前はメジャー覇者のポール・ローリーら名選手がいたものの、当時の世界ランクでは40位のオリバー・ウィルソンが最高位。だが、今年は7位のステンソン、28位のカールソンと、30位の石川より上位の選手が2人も顔をそろえた。モンゴメリーは警戒すべき選手について「特別な名前は言うつもりない」とかわしたものの、18歳を意識しているのは明白。“打倒・石川”こそが勝利への近道と分かっている。
 石川はこの日、小田と尾崎主将と仏塔の前で記念撮影。1年ぶりの異国情緒をかみしめた後、早速18ホールを回った。今年初ラウンドだったが、蒸し暑い気候も苦にせず「体が温まるのが早いし、日差しは気にならない」と“打ち初め”となった1番のティーショットでは303ヤード先のフェアウエーのど真ん中に飛ばした。「調子が凄く良い」と絶好調宣言も飛び出した。
 昨年大会の後はマスターズなどのメジャーやプレジデンツカップなど海外で多くの試合をこなした。「相手は技術的に高い選手ばかりだけど、チャンスはある」。積み重ねてきた経験がアジアチームの活路を切り開く。

 <石川遼と一問一答>
 ――2度目の出場となる今大会の抱負は。
 「年が明けてすぐ大きな戦いに参加できて身が引き締まる思い。直前にマスターズ委員会から招待状も届いたし2010年は大きな年になると思う」
 ――小田とのペアは。
 「ここは守って、ここは攻めるというお互いの役割を決めずにガンガンいっちゃえばという感じになることが多いと思う。自分のゴルフを曲げていくことはないと思う」
 ――暑さは気にならないか。
 「プレーすることは大丈夫だが、手のひらの汗が気になる。グリップをふいていい状態で入れるようにしたい」
 ――昨年からの成長は感じたか。
 「池に入れないことが最低限の仕事だが、昨年は池を避けつつフェアウエーをキープするといったコントロールに苦しんだ。それがだいぶできて、意図する球が出てくるようになった」

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2010年1月7日のニュース